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澪緒side
『うううう………ゴールデンウィークなんていらない〜
お兄ちゃんー…紡宮ー…』
パタパタと足を交互にベッドに叩くように動かし、ギューっと紡宮カラスを抱きしめる
今はお兄ちゃんのじゃなくて、紡宮のがいい
『ぶーーーーー…せっかくのゴールデンウィーク、勉強以外何もすることないなんて』
お兄ちゃんと紡宮は今日は練習試合なので、1日ずっと試合試合試合三昧
私はずっと家で退屈な時間を過ごすばかり
ブブッ
『ん?』
サイドテーブルに置いていたスマホが揺れて、通知が来たのを見ると「久しぶり〜」というコメントと「ひさびさに遊びに行かね?」というコメントが立て続けに送られてきた
すぐにロックを開き『行く!!!!』とメッセージを送ると「食いつき早い笑」と返ってきた
悠太んじゃ、駅で待ってるべ
澪緒あーい
悠太あーいて笑
ゆっくり来ていいべ
澪緒あいあい
悠太いやだからなんで「あいあい」なの笑
数回だけのトークにほんの少し『ひひひっ』と笑ってトーク画面を閉じてすぐにクローゼットの奥にある服を引っ張り出し始める
ブブッ
ショーターおーーす、澪緒!
暇なら今から駅前のスポッチャで遊ばねえか?
今ならアッシュの奢りだ
アッシュなわけねえだろが
ショーターからの連絡なんてつゆ知らず、私はいそいそと支度を済ませてスマホを引っ掴んで家を飛び出していた
ー駅前ー
『悠太!』
「おっ、来たな」
『ごめんね、遅くなっちゃった』
「いーよ。いきなり誘った俺が悪いしさ」
『あれ、悠太だけ?』
「なわけ。アイツら、先にスポッチャで遊んでるよ」
『うわあ、久しぶりだな〜』
「学校変わってから行ってねぇの?」
『全然。お兄ちゃんと紡宮の部活あるから遊びに行ってないよ』
「うわもったいね!でもまぁ…仕方ないよな〜
でもお前がそれが楽しいって言うなら何も言わないけどさ」
『悠太は?空手の方』
「俺な……今度全国大会に出るんだぜ!」
『ウソ!!』
「まじ!」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時