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1時間目の授業が終わり、次の教科の準備を始めると「ショーター」と聞いたことのない声が聞こえてきた
「昨日貸したノート!」
「あ、悪い悪い」
黒髪に黒い瞳、日本男児という感じの男の子がくるとショーターはノートを取り出して「サンキュー」と手渡した
「あ、深谷。紹介するぜ、奥村英二、こいつもいい奴なんだぜ」
『深谷澪緒です、よろしくね奥村くん』
「よろしく、深谷さん」
にっこりと笑った奥村くん
奥村くんの席はどうやら空席の隣らしい
なんと近くの席なんだ
「そういえば、アッシュはきてないね…」
「あぁ…今日の授業、全部つまんないって言ってたからな…」
「アッシュらしいや…」
奥村くんも知っている「アッシュ」という人
ショーターから聞いた話ではいい人だと言っているけど、奥村くんから見てもアッシュという人は優しい人なのだろうか
『ねぇ、奥村くん』
「ん?」
『アッシュって人、ショーターはいい人って言ってたけど、奥村くんから見たらアッシュって人どういう人?』
「うーん…そうだなあ
アッシュはいい人だよ。僕とショーターとシンとはよく登下校してるよ」
『仲良しなんだ』
「中学から仲がいいけどな」
へぇ…。と頷いていると「そろそろ席につけー」と、次の授業の教科担当の先生が入ってきた
奥村くんは「またあとでね」と言って自分の席に座った
私たちと席が近いから特に気にすることもない
次の休み時間に「アッシュ」という人についてもっと聞いてみようかな…
3時間目、4時間目ときてやはり隣の席の人は来ない
今日は休みなのかなと思いながら、自分のカバンからお弁当を取り出す
「お、うまそうな弁当」
『そうでしょ!』
「深谷が作ったのか?」
『ううん、お兄ちゃん』
「お兄ちゃん!? 女子のクオリティだろ!」
『最近、お弁当作るのにハマってるって』
女の子らしいお弁当の中身を見て、「ほー、兄貴がね」とショーターが驚く中、ご飯を食べるためにこちらにきた奥村くんもお弁当の中身を見て驚いていた
「美味しそうだね!栄養も満点だね」
『でしょー?』
「嬉しそうだね…」
えへへ。と微笑めば、奥村くんもショーターも「いいな」と羨ましがった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時