2-11 ページ20
朝日で輝く金髪がキラキラと光っていて、エメラルドのように輝くグリーンアイがこちらに向けられている
「澪緒、紹介するぜ。こいつがアッシュだ」
入り口で固まっている私に構わずショーターは目の前に座る男の子を紹介してくれたけど、まさかあの綺麗な人がアッシュという人だったとは思わず、私はそのまま固まってしまった
「澪緒?」
『あ、なに?』
「大丈夫か?」
『あ、うん……』
ショーターの声でやっと動き出した私は、『はじめまして』と挨拶すれば「……あぁ」とグリーンアイを晒して答えたアッシュくん
『深谷澪緒、です』
「………………アッシュ・リンクス」
ほんの少しだけ目を合わせてそう答えてくれた彼に、『よろしくね』と言えば「よろしく」とそっけない声が返ってきた
「で、澪緒。なんで箸持ったまんま?」
『あ』
手に持っていたお箸を保冷バッグの中に直すと、「つーか、何で箸なんだ?」とショーターが聞いてきた
『お箸取り違えてて……』
「そのまま使えばいいじゃねぇか」
『お兄ちゃんが「俺は女の子の持ってもサマになるけどね!」って言ったことあるんだけど、友達から「キモい」って言われてからそういうのちゃんとするようになって……』
「あぁ…なるほどな」
こうやってショーターと話しているけど、アッシュくんは私と話さなかった
というよりも、話しかけるなというオーラが出ていた
朝練の終わった人たちや登校時間が被った生徒が廊下に集まってくるのと同時に「あれ、アッシュ」と奥村くんが驚いた顔で入ってきた
「珍しいね、朝からいるなんて」
「あぁ。転校生の顔を見にな」
「深谷さんの?」
「あぁ…まあ、普通の奴だなって思った」
『転校生に普通もなにもないと思うんだけど…』
というか、変な期待をさせてしまったみたいだな…
なんかごめんなさい
「そういや、今日は体育あるって言ってたな」
「男女共同でしょ?」
「めんどくせー」
「なにするかわかるか?」
「体育館で女子はバレーで、男子はバスケでしょ?」
『バレーかぁ…レシーブ痛いなぁ』
29人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時