元殺し屋は排球部にいく (ページ6)

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えーと、電話、電話…

タッタッと中を走り、選手たちの波を縫うように走る
マジで自分の素早さ感謝するわ

「一体何しにココへ来たんだ？“思い出作り”とかか？」

『！』

角を曲がろうとした時、そんな会話が聞こえてきた
なんだなんだと角から少しだけ顔を覗かせると、青いジャージと緑色のユニフォームを着たオレンジ頭の男の子がいた

「…勝ちに来たに決まってる！」

『！』

「…ずいぶん、簡単に言うじゃねーか
バレーボールに需要なものが、身長(たかさ)だってわかってて言ってんのか？」

(…いやまぁ、確かにそうだけど…それだけじゃないよ)

じゃあ、足が遅い選手はサッカー選手になれないの？
筋力がないだけで弓道の選手にはなれないの？
体重がないだけで相撲取りにはなれないの？

“個性”がないだけで、ヒーローという職業につかないのか？

「…確かに俺はでかくないけど、…でも！俺は飛べる!!」

『！』

「負けが決まってる勝負なんかない。諦めさえしなきゃ」

「「諦めない」って口で言うほど、簡単なことじゃねぇよ」

『……………』

「体格差も実力差も、気力だけで埋められるもんじゃない」

ふぅん…確かに正論だ
体格差も実力差も、気力だけでカバーできるものじゃない

だけど

『随分と冷めた言い方だね』

「「！」」

『青ジャージ』

「あ？」

オレンジ頭くんの前に立ち、私よりも少し背の低い男の子を見下す構えをとった

『確かに、この子が簡単に「勝つ」なんて言うのは無謀かも知れない
バレーボールで必要なもの、それは確かに身長という高さだよ。だけど、逆に聞くよ？』

「？」

『身長が低いというだけで、バレーボールを諦めなきゃいけないの？』

「「…!!」」

『身長が低い高いなんて関係ない
どっちが、どれだけバレーボールを大好きか(・・・・・・・・・・・)で決まるようなこともある
どちらかががむしゃらに直向きに勝利への執念を燃やしているかにもよって勝敗は決まる
負けが決まってる試合なんてない、勝利なんてないわ
諦めない限り、無限に可能性は広がってる』

緑谷がそのいい例だ
アイツは諦めなかったから、オールマイトに認められて雄英に来た