元殺し屋は排球部にいく

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「ぎゃーーーーー!!!」

『ちょ、及川さん暴れないで』

「無理無理無理無理、死ぬって!!!」

『死にませんって』









フリーランニングで及川さんを抱えながら建物の屋根から屋根へと飛び移る
たまに電柱の上に止まって休憩をするのを繰り返す









「な、なんで青子ちゃんこんなにできるの!? アスリート!?」

『アスリートでもこんなのしませんよ…』









トンッと地面に降りると「重力関係なしなんて初めてなんだけど…」と及川さんはネチネチと耳元でそう言ってくる









『宇宙飛行士にはなれないですね』

「ならなくていいんですぅー!!」

『で、ここですよね？及川さんの家』

「ナチュラルに家バレしてる!!」









ゆっくりとおろすと、及川さんは「はー、死ぬかと思った」と大きな息を吐いた









『まあ、生きてるんで大丈夫ですよ』

「大丈夫じゃないからね？」

『終わりよければ全てよし』

「よしじゃない」









「ったくもー」と呆れたような声を出されたものの、本当に怒っているようにも感じ取れない




楽しかったっちゃ、楽しかったんだろう









「ホント…青子ちゃん、怪我しないでよね」

『ああ、平気です。怪我しそうになることもないので』

「もしものこと考えて!!!」

『ハハハ』









及川さんが家の門を開けると、「ちょっと待っててよね」と言ってきた









「お母ちゃーん！ちょっと出るねー！」

「えっ!?」

「友達送ってくる!!」









及川さんと及川母のやりとりを聞きながらいると、ザワッと体が反応した




すぐに周りを見回すも、得体の知れない何かはもうなかった









(今の…)









ここにきて変なことならないよね？
ここは緑谷たちもいない、雄英もない、殺せんせーやE組はいない


もしものことがあったら、私が全てやらないといけないんだからな…









「青子ちゃん？」

『！』

「大丈夫？」

『あ、はい…平気です』

「そう？お家まで送ってくね」

『いえ、大丈夫ですよ。ここからすぐですし』

「だめ！女の子がこんな時間まで1人で歩き回っちゃダメ！」

『………いや別に慣れてるんですけどね…』

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