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「…おい、土曜日」

「?」

「勝つぞ」









影山のその言葉に日向は驚き、ほんの少し息を整えた









「あっ、あたっ、当たり前どぅあォェェッ」

『そりゃ吐くわな…』









ゲロ吐いた日向を休憩させるために体育館横の外の日陰で休ませる
もちろん、影山も休憩中だ









『レシーブもトスもスパイクも、全部自分一人でやればいい』

「!」

『自分なら拾える、自分ならあげられる、自分なら打てる』

「…」

『もっと速く、もっと高く、もっともっと…そう望み続けた矢先に誰もいなかった…』

「……」

『私は影山の過去も境遇も知らないよ。だけどこれだけは言える』

「?」

『バレーボールは1人で戦うんじゃない、6人全員で戦うものだよ』









それさえ理解できれば、怖いモノなしだと思うけどね









「…お前は、バレーボール初心者なのになんで」

『…まあ、思うところはあるんだよ
言ったでしょ?私も1人で全部しようとしてたって…
どれだけ頑張っても埋まることのない才能に押し殺されそうになった時があってさ…』

「………」

『悔しかった…自分の方が才能があると思って過信してきたのに、あっさりと私よりも優れていると見せつけられたあの時が………本当に悔しかったんだ』









人は生まれながらにして平等ではない
それは齢4歳にして知る現実社会の成り立ち

私はそれを、15歳で痛感させられた









『才能がないなりに頑張っていたけど、やっぱり本物の才能には勝てなかった…
それに、1人では戦っても勝てないものはあるってわかったから』









どれだけうまかろうと、どれだけ頑張っても、目の前にある本物の才能には勝てない
15歳にして、暗殺の才能を見せつけられた私は、本当に悔しかった



私が殺してやるつもりだった
あのクラスで、もしもあの才能がなければ殺せんせーを殺していたのは私だったかもしれない



だけど、私よりも優れた才能を持った人間が現れてしまった









悔しかった




努力してきたことを全て嘲笑うかのように、死神が全てを刈り取った気がしたから









積み重ねてきた全ての苦労も、全部彼によって食われてしまった気がしたから









『まあ、頑張んなよ』

「…おう」

4話 新入部員の時間→←3-3



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名無し9570号(プロフ) - この作品だいすきです!ずっと待ってます!! (2023年2月6日 16時) (レス) id: d2b97e0d27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年2月11日 18時

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