元殺し屋は排球部にいく (ページ4)

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眩しさに目を閉じ、光が収まるのを待って数秒が経ち、ゆっくりと目を開けると

『…は!?』

目の前にはのどかな光景が広がっていた
まさか…“異世界飛ばし”？

『嘘でしょ…？』

どこだよ、ここ…！

すぐにスマホを取り出してみるも、なぜか圏外と表示されている

『なんでだよッ』

「うわっ！」

『あ、すみません』

「あ、ううん…大丈…えっ!?」

『？』

いかにも爽やかな格好をした白ジャージにペールグリーンのTシャツ
普通に爽やかじゃん

「ねね、キミなんて名前!? めちゃくちゃかわいいね！」

『…………それより、この辺りってどこですか？』

「無視!?」

『ここ、どこですか？』

「仙台市民体育館だけど」

『仙台!?』

「う、うん…」

“異世界飛ばし”って、東京で違う「世界」って言うんじゃなくて、県まで違うのか…ッ
最悪、東京ならまだしも…地方かよ…ッ

『…って、市民体育館？』

「うん。あそこで、バレーの大会してるんだよ。キミは？バレー部…の学校じゃないけど」

『あぁ、私は…………あ』

「？」

ここで言っていいのか？
いや、ヒーローのこと知ってるからそれとなく聞いてみるのもアリだな
本当に異世界にきたのか確認しておかないといけないわけだし…

『あの、ナチュラルボーンと言ったら誰かわかりますか？』

「ナチュラルボーン？…生まれながらに…うーん、あ、及川さんとか!?」

(ダメだ、完全に異世界だ)

片手で顔を覆い、「え、大丈夫？」と聞かれるもスマホでの応答はない
本当に悲しい世の中だな

『あの…重ね重ね申し訳ないんですけど…』

「ん？」

『スマホ貸してくれませんか？
知り合いに連絡したいんですけど、自分のスマホ…充電切れちゃって』

「全然いいよ～」

『ありがとうございます』

ロックを解除したスマホを受け取り、自分のスマホも電源を入れる
圏外なのはわかってるから、『律』と困った時のモバイル律を呼び出した

《はい》

『ここがどこなのか、本当に飛ばされたのか調べて欲しい
それと…“ヒーロー”がいるかどうか』

《わかりました》