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『なに、文句ある?単なるペナルティじゃない
個人技で勝負挑んで負ける自己中な奴が司令塔であるセッターなんて、チームが勝てるわけないでしょ』
「!」
『なに、どうしたの?
別に入部を認めないって言ってるわけじゃないから
影山なら他のポジションだって余裕でしょ?』
「俺は、セッターだ!!!」
『試合に勝てばいい
自分1人の力で勝てるって思ったから来たんでしょ?
ゲームは土曜日の午前、セッターができないならスパイカーもある、リベロもある、なんだってあんたならできるでしょ?』
それだけ言うと、影山は胸ぐらを掴んで今までにないほどの顔で怒ってきた
「セッターはチームの司令塔だぞ!?
試合中1番多くボールに触れるのがセッターだぞ!?
支配者っぽくて1番かっこいいだろうが!!」
『どんな理由』
「お前はバレーしたことないから言えるんだろうが!!
コイツの好きなスパイクだって、セッターのトスがなきゃ打てねぇんだぞ!!」
『知るかボケ。バレーに興味ないやつからしたら、1番かっこいいとも思えないわ』
「………………お前、でっかい試合生で見たことあるか?」
『ないわ』
「テレビでは?」
「ある!」
『ない』
「青子、お前何見て育ってたんだよ」
『ガキの頃からテレビなんか見たことねぇよ!! そう言う教育だったの!!』
「不自由だな」
『しばき回すぞこのクソガキ』
日向の頭を掴みながらぎりぎりと握りつぶす要領で力を込めていく
「テレビのバレーの試合ってよ、コートのサイドから移すだろ
あの角度じゃわかり辛ェけどよ、実際生を見に行ってコートのエンド側から見んだよ
そーすっとよ、セッターの超速ェトスがよくわかるんだよ!
コートの端っこから端っこまで、ギューーン!て、敵のブロックの目の前一瞬でボールが通り過ぎて、「おいそれ本当に打てんのかー!?」って思うんだけど、トスの先にはちゃんとスパイカーが跳んでてよ、打つんだよ!ドカーーーン!つって」
「おっ、おうっ」
(うん、わからん)
なぜ理解できた日向
せめてもう少しわかりやすい擬音語で話してくれないか、影山くん
「たしかにスパイカーはかっこいい
けど、敵のブロック欺いてスパイカーの前の壁を切り開く、難しくてかっこよくて面白いのがセッターだ!」
『……………人それぞれ、ね…私の場合、それがヒーローだったってわけか』
「?」
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名無し9570号(プロフ) - この作品だいすきです!ずっと待ってます!! (2023年2月6日 16時) (レス) id: d2b97e0d27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年2月11日 18時