元殺し屋は排球部にいく (ページ21)

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『そのためには、チーム一丸となってなきゃいけないわけなの
教頭にも目をつけられたくないわけ。あの親父、めんどくさそうだし

私はさ、2人にお友達になれって言ってんじゃないの
中学の時にネットを挟んだ敵同士だったとしてもさ、今はネットの同じコートで戦っていく仲間だってこと自覚しろって…言ってんの』

「「!!?(ﾋﾞｸｰｰｰｯ」」

『どんだけ優秀な選手だろうが、一生懸命でやる気ある奴だろうが、仲間割れした挙句にチームに迷惑かけて、先輩の大切な時間を削るような奴らは普通にいらないの、邪魔なの、クソほどいらないの』

澤村さんからパシリと奪い取った入部届を2人の顔面に押し付け、襟首を掴んでそのまま体育館の外まで引っ張り出して投げ捨てた

『だから、お互いがチームメイトだって自覚するまで、この体育館にも、部活動にも一切参加させないようにしてもらう』

そう吐き捨て、くるりと背を向け澤村さんに『お騒がせしてすみませんでした』と深々と頭を下げた

「いや、いいんだけど…えっと」

『夜神月青子です。覚えてますか？』

「あ、うん。覚えてる、えーと、俺の代わりに言ってくれてありがとうね」

『大丈夫です。バカ更生させるのは慣れてるんで』

「慣れてるんだ」

外からわーきゃー言ってる奴ら
もうほんと、バカは単細胞でしかない

「コイツともちゃんと協力する！部活に参加させてください！」

『影山、本音は？』

「…っ！…試合で…今のコイツと協力するくらいなら、レシーブもトスもスパイクも、全部俺1人でやれればいいのにって思ってる』

「何言ってんの、お前!!」

『なんで本音言うの…建前でもいいじゃん
まあ、素直なのはいいことだけど…
バレーしたことのない私でもわかること言わせてもらうけどさ
ボールを落としてはダメ、持ってもダメ、1人が続けて2度触るのもダメ
それがバレーボールなんでしょ？
どうやって1人で戦うの？もっかいルールブック読み込め、アホ』

…なんでこうも単細胞バカしかいないの…
バカは寺坂だけでいいっての…

でもまぁ…あそこまでバレーのセンスもあるんだし

『はぁ…。澤村さん』

「んっ？」

『お願いがあるんですけど…』

「？」

ちょっとぐらい、協力してくれたらどれだけいいのか