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アレンの口から発せられた言葉は、俺たちの耳にしっかりと聞こえた
アレンは『…リベル、リベル!』と子どものように泣きじゃくりながらフードを被った人間に飛び込んだ
「ごめんなさい…あなたを、1人にさせた…」
『リベル…が、生きてる…リベル、リベル…』
「生きてる、生きてるよ…アレン」
アレンがその人物を抱きしめているのが面白くなくて「誰だよ」と俺たちが問いかけると、アレンの横に立っていた男は「初めまして」と自己紹介を始めた
「グリーンハイエナ…26期生のリラン。アレンとは用心暗殺班暗殺部暗殺強化班で配属されてた仲間だ」
「!?」
「で、こっちが…」
『…俺の、大事な人…』
「!?」
「我らがハイエナの飯を作ってくれる女神…美の女神・アフロディーテとも呼ばれていた…リベルさん」
「アフロディーテは言い過ぎよ…リベルです。アレンがお世話になっています」
フードから覗いたのは絶世の美の女神アフロディーテにも負けない美人だった
ショーターが「うわぁお!」と鼻の下を伸ばすとアレンが隠すように立った
『…リベル、生きててよかった』
「あなたも、生きててよかった…リランから、あなたが狙われてると聞いた時は生きた心地がしなかったわ…
生きてまた会えて嬉しい」
『ん…』
すりすりとリベルに擦り寄りグルーミングをし始めるアレンにポカーンとしていると、「うわっ!?」と起きてきた英二がこの光景を見て驚いていた
「だ、誰?」
「アレンの仲間だって」
「アレンの?」
「アレン」
『?』
「依頼があるんだ」
『……依頼?』
「あぁ」
リランと呼ばれた男はアレンに向き直ると、小さく息を吐いたあとしっかりと前を見据えた
「裏に来てくれないか?」
『……あぁ』
リラン達の後を追いかけると、そこには…夥しいほどの人間がいた
『……………うそ、だろ…』
「全員、生き延びたんだ」
『……………』
「戦いの神・アレス様」
『…………!』
「我らがハイエナの長の暗殺を」
ザッ!と地面を蹴り頭を下げる奴ら
「お引き受け願いたい」
何十人という人間がアレンに向かって頭を下げると、アレンは小さく息を吐き答えた
『わかった』
その言葉が、アレンを苦しめる引き金となった
What is a proof of a companion?→←16話 リベル
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時