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15-4 ページ42

戦いの神・アレスの名で呼ばれたアレンは、確かに戦いの神・アレスだった
悲しみも怒りも感じず、ただ無慈悲に人の命を奪い、血を浴びて戦場を駆け抜ける





人はいつしか、殺戮のハイエナと呼んだ










いつしかアンバーハイエナのメンバーは多くなり、アレンはアンバーハイエナを率いるリーダーとして動くことになった










「アレン!リーダー会議があるって」

『……先生のところ、呼ばれてる』

「んじゃ、欠席か…。イザベルに代わってもらってるんだよな?」









フィニに声をかけられたアレンは頷くと、背を向けて歩き始めた
アレンを見たフィニは「先輩の背中って怖えよな〜」と、自分の先輩にあたるアレンの背中を見てポツリとつぶやいた











『………先生、俺です』

「おいで、アレン」













今日も、彼は…抱かれる










アレンは戦争や紛争に誰よりも出て、誰よりも人を殺した
自分に向かってくる人間を、仲間以外の人間をなぶり、噛みつき、刺し殺し続けた





自分が何者であろうが、なんと呼ばれようがそんなもの関係ない
自分は先生がしてほしいと言うからやっている。だから、だから







その時、アレンは気づいた



















自分は、どうして先生のために?







先生がしてほしいというから



どうして?





先生が叶えてくれと言うから




なにを?








イラク戦争で答えの見つからない疑問に陥ったアレンは、イラク戦争から帰ってからもなお、戦争に駆り出され続け、その疑問を考え続けて先生に聞いてみることにした






先生はひどく悲しそうになると、「アレン、お前はもういいよ。死んでおしまい」とそう言い放つと、アレンを施設から追い出した





追放だ








わけがわからなかったと言ってもおかしくないが、アレンはおかしかった
自分の仲間が、イラクの戦争で亡くしてから新しい仲間は確かに自分に着いてきてくれる


だけど違う









彼らは、彼らは、人間じゃないと






そこで初めてアレンは気づいた












ここがおかしいのだと








10年以上もここにいて、10年以上もかかってようやく気づいた異常









アレンは無我夢中で走った





戦いの神・アレスが戦場を駆けたのなら、アレンは森を駆け抜けた











逃げれることなどない






いつだって先生は“視ている”




己を











“人を殺し続けなさい”














アレンは、未だに逆らえない

15-5→←15-3



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時

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