What is a proof of a companion？【男主】 (ページ39)

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15話アレスページ39

ガンッ！という音とダラァっと流れる生暖かい血に『な、んで…』と絶望の意味を込めた言葉が口からこぼれた

「目障りなんだよ！アレスみたいな顔しやがって!!」

ガハッと吐血するたった2歳の子どもは、早すぎる自我を保ってしまった

名なのどない

あるのは、己がアレスと呼ばれていたこと

ギリシャ神話戦いの神・アレスの名

アレンと名付けられる前、彼はアレスと呼ばれていた
理由など様々あると言われているが、大きな理由はたった一つ

アレスは齢2歳で襲いかかる野犬を噛み殺したのだ

ズタボロのボロ雑巾のようになったアレスの日々は、突如として変わることになる

「が…はっ」

「あらあら…害虫ねぇ……子どもも汚らしい…でも、いい材料ねぇ」

真っ赤に燃えているその瞳に見つめられたアレスは思った

もう、逃れられないと

「お前は今日からアレンよ。さあ、アレン…私のためにたくさんお願いを聞き叶えておくれ」

『…はい、先生』

アレスという名前からアレンという名前に変わった彼は、ハイエナに育てられた
ハイエナと同じシェルターに入れられた彼は、5歳までピュタというハイエナに育てられた

そして、ハイエナとの意思疎通が図れるようになると、今度はアカデミーと呼ばれるたくさんのことを習う施設に放り込まれた

アレンは優秀だった

座学、実践、実技、あらゆる分野で優秀な成績を残していた

「アレン！」

『ガイル、ミカエル』

「よっ！」

「昼飯食った？」

『まだ。俺、腹減ったから今から行こうとしてた』

「んじゃ、行こうぜ！」

「何食う？」

「そうだなぁ…鹿の骨肉かな」

「うまいよな〜」

「アレンは？」

『俺もそれにする。骨もうまいし』

「お前ほんとすげェ顎と腹だな」

アレンは感情が乏しくはなかった
だからといって、おかしくなっていっていたのは言うまでもなかった

アレンは週に一度、“ハイエナ処理日”という日に自分を「先生」と呼べという者に呼び出されていた
その日が近づけば近づくほど、アレンは体を震えさせて恐怖に彩られていく

部屋に入ったアレンは、「服を脱ぎなさい」という指示に素直に従った

そして、このあと自分の身に起こることを理解しながら、彼は…アカデミーに入る前から続いている悍ましい光景を、身をもって知っている