14-5 ページ38
信じる?
なにを?
神を信じろというのか?
『…………なにも、知らないくせに』
「うん」
『…………なにも、できないくせに』
「うん」
『…………俺の、なにを、知ってるんだよ』
「…知らないから、知りたいんだ」
『……………………俺は、お前が、怖くて』
やめろ、言いたくない
違う、こんなことが言いたいんじゃない
英二を傷つけるな、傷つけちゃダメなんだ
大事な友達だから
『………自分の身すら、守れないくせに』
「それは、まあ…キミやアッシュに迷惑をたくさんかけたよ」
『………俺は、もう、誰とも、関わりたくない』
違う、そうじゃない
俺は
「アレン」
“アレン”
「キミは」
“あなたは”
「望んでいいんだよ」
“口にしていいんだよ”
「生きたいって」
“生きていたいって”
英二とイザベルの声が重なって、顔をあげたらそこにはイザベルが立ってた
イザベルがいる。イザベルがいるんだ、そこに
“アレンったら、いっつも自分は死んでもいいみたいな言い方するんだもの。私たち、どうすればいいのかわからなかったのよ?”
『………ちが、う…そんな、こと…』
“いつも死にたがり!ってイザイラと言ってたけど、違うのよね。あなたは、誰よりも生きたかったのよね。だけど、それがわからないから誰よりも死にたがった”
『………ちが、う…違う、違う…俺、は…そんな、こと…』
“アレン、素直になって。あなたは、死にたいの?”
『…………お、れは』
自信がなかった
気がついた頃には先生に教えられていて
アカデミーでも意味のない期待を寄せられて
そんな期待に応えてるつもりはないのに、はやしたてられて
“言ってよ、アレン”
『…………誰も、傷つけたく、なかった』
“や、めてくれ…頼む、殺さないでくれ…!”
“ぎゃああああ!!”
『………消えたかっ、た』
“そうだなぁ…けどさ、アレン。ひとりは寂しいぜ?”
『……………誰かと、関わりたい…必要と、されたい…生きていいって…』
「いいんだよ、アレン…キミは」
“生きていいんだよ”
50人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時