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「グリフィンはいい奴だったが…僕のしたことに勘づいたから、仕方なかった」
「なら、俺たちがお前を殺すのも仕方ないことだな?」
ターンダウンしたエイブラハムに俺が静かに当然のことのように告げると、アレンの鎖がカシャンと静かに動いた
「…これは、“正当な復讐”だろ?」
顔を引き攣らせたエイブラハムは、「つ、強がっても無駄だ!お前はここで死ぬんだからな!」と喚くと『…………………す』という俺でも聞いたことのない低くて冷たい声に怯んだ
もちろん、俺も
横を見れば、灰色の髪の毛で顔色が見えない
「お、お前は…………」
『………………………す、………す………す………ろ………………こ……………』
「おい…アレン」
『……………す、…………ろ、す………………………殺す』
「ヒッ」
ゆっくりと顔を上げたアレンはエイブラハムを瞳孔が開き、琥珀の瞳が9割を占めるほどの瞳でエイブラハムを睨みつけた
『………………殺す、殺す殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す』
「ヒッ!な、なんでお前がここに!!」
『……絶対に、お前を、殺す』
ビリビリと揺れる空気に、俺も、オーサーも、マックスや伊部、さらにはショーターも体が固まった
これが本物の殺意、これが本物の野生の殺意、これが、これが…アレンの本当の気持ち
「アンバー…ハイエナ、生きて…」
震えて逃げようとしたエイブラハムが腰を抜かして地面に座り込むと、アレンは『…殺す、噛み殺す、刺し殺す、撃ち殺す』と殺す方法を口にしていき、エイブラハムは怯えながらずりずりと距離をとっていく
その時、重いドアが音を立てて開いた
カタン
「?」
ヨロヨロと歩いている金髪の誰かを見ていると、ガチャンッと鎖が揺れた
もちろん、俺ではなくアレンの鎖だった
『…………………ノア?』
アレンの消えそうな声にノアと呼ばれた金髪の誰かは、ピクリと反応すると虚な青い瞳を揺らして「………………アレンさ、ん」と呼んだ
『…な、んで…お前、が…ノア…』
ヨロヨロと歩いてきたノアという男を見つめているアレンの顔は、無表情だった顔が剥がれ落ちたように驚きに満ちていた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時