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アレンさんの迷惑になりたくなかった
アレンさんの足を引っ張りたくなかった
なのに俺は最後まであの人の足を引っ張り、迷惑をかけた
それでもあの人は俺を呼んだ
“ノア”、と
優しい声で、かつての仲間を呼ぶような声で
あの人の手で殺してもらえて俺はよかった
イザベルさんたちを苦しめたバナナフィッシュによってとり殺されそうになった俺を、アレンさんが解放してくれた
アレンさん、俺は本当にあなたが大好きでした
飯をくれたあの日
声をかけてくれたあの日
俺のために庇ってくれたあの日
怒ってくれたあの日
気づかせてくれたあの日
そして、俺をあなたの手で解放してくれた今日
あなたにいらぬものを背負わせてしまったけど、俺は本当に幸せでした
あなたの仲間で、あなたの部下で、あなたの…友達になれて
アンバーハイエナであったことに感謝して、あなたに一言だけ残したい
忘れないでアレンさん
明けない夜はないことを
忘れないでアレンさん
俺たちがそばにいます
あなたは1人じゃない
俺たちがそばにいます
『…………………………ノア』
アレンside
冷たくなっていくノアを見つめ、自分の目から流れ落ちる涙を気遣うことなく流し続けていると、エイブラハムは「すごい…肝臓をひと突きだ」とノアの体をベタベタと触って検分している
「大した仲間だな。ノアもさぞ喜んでるだろうぜ？
どうだ、仲間を殺した気分は？どうなんだよ、えぇ!?」
『……………………る、な』
“アレンさん、俺は！もっと強くなりますよ!! あなたを追い抜きます！”
“いや、無理だろ…ノア”
“アレンのフルスコア知ってる？誰も抜いたことないのよ？”
“………無謀でした”
“……………………抜けるもんなら、抜いてみろ”
“アレンも悪ノリしない”
『……る、な…ノァに』
“アレンさん、危ない!!”
“ゴラァ、ノアァ!! 危ねェだろうが!!! アレンの邪魔してんじゃねぇ!!! 戦場だとお前が死ぬぞゴラァ!!!”
“ヴァナ、落ち着きなよ…”
“ノア、アホー”
「ありがたいことに頭は無事だよ。あれが脳細胞にどんな影響を与えるのか、兄さんも興味があるだろう？」
『……………さわ、るな…』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年3月12日 9時
