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「全く、もう…無茶しすぎ！アレンの助けに入って、逆に助けられてどうするの、ノア」
「…す、すみません…」
本拠地に戻って、メインルームで手当てをされてる俺はペコペコとイザベルさんに頭を下げた
アレンさんは上に報告のために今はメインルームにはいない
「でも、勇気ある行動だったね。初めてだったんだよ、アレンの命令を無視した子」
「え」
「強いね、ノア」
「っ！」
グッと唇を噛んで下を向いていると、アレンさんが戻ってきて『…ノア』と俺を呼んだ
すぐに顔を上げて「アレンさん！あの！」と先日のことを謝ろうとすると、アレンさんは『…………助かった』と言った
「え？」
『………あの時、お前が来なかったら、死んでた…ありがとう』
「アレン、さん…」
『………………狙撃の訓練はしておけ、ヘタクソ』
「う…はい」
『………………でも』
「？」
『…………よく、やった』
肩を優しく叩かれて、俺はアレンさんの真っ直ぐと見つめられた琥珀の瞳に泣きそうになる
褒められた、認めてもらえた。俺はすごく嬉しくて、「ありがとうございます!!」と頭を下げた
それからアレンさんに時間があるときはナイフや狙撃、体術を教えてもらった
最初はヘタクソ、グズと言われてへこたれそうになったけど、その分身に付いたらアレンさんは褒めてくれたし、ご褒美だと言って俺に飯を分けてくれたりもした
そんな関係が気づいたら、2年は経っていた
「え…イラク戦争、ですか？」
「えぇ…最近激化してるらしくて、私たちも行くことになったの」
「んで？命令は？」
ノエルさんとヴェルさんがアレンさんを見ると、アレンさんは静かに口を開き『…………無差別虐殺だ』と言った
『………ターゲットはアメリカ人兵士…好きなだけ殺していい、と』
「…………ガイルたちを殺した奴らね」
「………ちょうどいい、ぶっ殺してやりたかったからな」
「………」
この2年。俺は沢山の出会いと別れを経験した
その中でも、アンバーハイエナに配属されて半年後に入ってきたガーナリアという女の子が、先日の戦争でアメリカ人兵士によって殺されたとアレンさんから聞かされた
アレンさんは基本、アンバーハイエナには優しい
というのも、自分の飯をあげたり自ら戦場に立つときには率先していくなど、俺たちに危険がないようにしている
それを、イザベルさんは無意識にしているのだと教えてくれた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年3月12日 9時
