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アレンさんは戦場では常に前線に立つタイプであると言われていたけど、前線に立つということは、それほど危険であり怪我がつきものであることだということをアカデミーで習ったけど…
「アレン、弾はあるか?」
『………5ダース、くれ…あとはなんとかする』
「了解」
『…………イザベル、イザイラ。エリーと合流して、状況を教えろ』
「わかった」
『……ノア』
「あ、はい!」
『…………お前は、できる限り応戦して、隙を見てノエルと合流だ』
「わ、わかりました」
ヴァナさんから5ダース分の弾をもらったアレンさんは、また戦場に身を投じている
俺もアレンさんの期待に応えるために応戦していくと、夜になり、新たな指令が来るのを待つことになった
「アレン、明日はどの地区に行くんだ?」
『……俺は、ここで待機だ』
「えっ…どういう」
『……指令がきた…お前たちは、このまま、西のクライアロストロ地区に向かえ』
「でも、アレンは」
『………終わったら、追う』
アレンさんが言うと、もう何も言わずにみんなが頷いた。信頼しているからこそ、アレンさんが来るとわかってるんだ
『……………………』
夜が明けると同時にアレンさんを置いて、クライアロストロ地区を目指して歩き始めていると、銃撃戦が聞こえてきた
振り返ってみると、銃弾が飛び交っている上にアレンさんがどうすることもできずにいた
「アレンさん!!」
「ノア、いっちゃダメ!」
「で、でも!アレンさんが!!」
「リーダーの命令には絶対に従うのよ!!」
でも…!
振り返って見えたのは、頬から血を流しているアレンさん
誰かのために強くなりたいと、生きてていいと言われたい
弱い自分を変えたいがために、アンバーハイエナに入ったのに、俺は…
俺は!
「ノア!!!!」
いつだって俺は弱虫で泣き虫で、フルスコアを取っただけでいじめられて蔑まれて、嫌われて、俺が何をしたって言うんだ
自分で努力して勝ち取ったフルスコアに胸張って何が悪い!
あの人のようになりたいから!
あの人の背中を守りたいから!
「ゔわあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
『…ノア』
俺は弱いさ!知ってる!
それでも!
強くなるには戦えと言われたから!
俺は、アンバーハイエナだから!
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時