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12-3 ページ13

アレンさんに聞かれて俺は素直に、あなたに憧れたからです。と言えたらと思ったけど、流石に恥ずかしくて「強くなりたいんです」と言ったら、アレンさんは琥珀の瞳を少しだけ揺らした










「俺は、いつも弱虫だと言われてて…そんな自分を変えたくて、1番死と隣り合わせのこの班を志願しました」

「…アンバーでなくても、ブルーでもグリーン、レッドや…他にもあるのに」

「自分を変えたい…それは、アンバー以外ではできないと思ったからです。至らぬところもあります。ですが、皆さんと足踏み揃えて走れるよう努力します!」

『………………ノア』

「あ、はい!」












アレンさんに呼びかけられ、返事をするとアレンさんは『…ひとつ、聞く』と真っ直ぐと俺を見つめた













『……お前にとって、命とは、なんだ』

「えっ…えーと、それは…誰かのために使うためで」

「わ、バカ…!」

「…え?」

『………………』













ヴェルさんが青ざめて言ったのに俺が振り返ると、『…ノア』と鋭い声で呼ばれてすぐに向き直ると、左頬に鋭い痛みが走った











「ぐがっ…!」

「アレン!!」

「あちゃー…」












殴られた。理解してから鋭い痛みが俺の左頬に突き刺す
すごく痛い。口の中が血の味だ。訓練で受けた痛みなんかの比じゃなかった












「あ、アレン…さん?」

『…………アンバーハイエナに入る条件だ…覚えろ』

「え?」











アレンさんは俺の服を掴むと、グイッと引き寄せて琥珀の瞳を鋭く睨ませていた
ゴクリと無意識に血と一緒に唾液を飲み込んだ















『……自分の命を、優先しろ…そして』

「…っ」

『…命令には絶対だ』















俺は張り付いた喉を必死に動かして、情けない声で「は、ぃ」と答えた
アンバーハイエナのトップであり、絶対的なリーダー…アレンさん。このチームは、アレンさんを中心に成り立っている










「アレン、言い過ぎよ」

『……………』

「ちょっと、アレン!どこ行くの」

「アンバー00、アレン」

「「!」」











ドアの方に歩いていくアレンさんの目の前でドアが開くと、上官がアレンさんの名前と番号を呼んだ
「00番」…噂で聞いてたけど、まさか本当にアレンさんに与えられてたなんて…











「なんだ、いたのか」

『…………』

「“先生”がお呼びだ。行け」

『………わかった』














静かに俺たちに背を向けて出て行くアレンさんを見て、俺は…

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年3月12日 9時

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