元殺し屋は呪術師となる2

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『３つ以上ある人間を見たことはありますが、脳無は違う
特定の人物の命令だけに従い、ある連合の戦闘要員として作り出された怪物です
思考力がなく、自立行動は取れませんが、肉体改造で得た強靭な肉体と、オール・フォー・ワンに与えられた複数の“個性”を有しており、オールマイト…平和の象徴と渡り合うほどの戦闘能力を持っています

不気味な外見ですけど、本来は私たちと同じ普通の人間です』

「…人造じゃなく、改造された人間？」

『…苦しい話、そういうことです
脳無は多様化してきています。最初は特定の人物の命令だけに従い戦うものでしたが、次に現れた脳無は無差別に人を殺し始めました
次はハイエンド…話ができるようになりました』









炎司さんを瀕死にまで追い込んだあのハイエンド…
調べによるとアレは最上位の脳無であることが判明した






改造前の性格や記憶がわずかに残っていたらしい
ハイエンドは通常の脳無同様に、複数の“個性”が与えられている


ある程度の自立行動も可能になっている









『まさかこの世界にいるなんて…これが初めて確認されたんですか？』

「報告によるとね」

『だとしたらあいつらが…？いや、あいつらがこちらに来るメリットがない…だとすれば、なんで？私と同じように飛ばされたのか？』









私が飛ばされた時、同じように同じ場所にいたのか？
それとも同じような“個性”を持った人間かヒーローに飛ばされたのか？


いや、ヒーローがそんな痛恨のミスをするわけがない
腐ってもヒーローだ。危険なものを飛ばすほど馬鹿ではないだろう



だとしたら、なんでここに？
何が狙いだ？飛ばされた場所に何かあるのか？


何か狙いが？飛ばされた場所に？
いや、そんなものない。どこに飛ばされるかもわからないのに、自ら行くなんてそんなリスキーなことをするほど、あいつらは馬鹿じゃないはずだ





じゃあ、なんで？









『先生、さっきの動画もう一度見てもいいですか？』

「ん？うん、いいよ」









音を目一杯に大きくしてもらい、耳を研ぎ澄ませて音声に集中する
誰の声があるのか、被害の音、脳無の叫び声、逃げ惑う声、それにひとつひとつ耳を傾けると聞きたくない悍ましい声が聞こえてきた









《どこだ…夜神月ィィィ!!!》

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