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8話 お師匠 ページ39

球技大会での大泣きから1ヶ月が経ち、僕らは今…京都に来ています









「それより、俺が行ってよかったんか?」

『うん。北にはお世話になったし、華ノ原さんに会いに行くのに、僕1人じゃ兄さんがうるさいからね』









はい、と手渡した緑茶を受け取った北は「ありがとう」と言って蓋を開ける
電車に揺られて15分ぐらいかかって、バスに乗って、中腹の山の方まで来た




バス停で降りて「ここか?」とあたりを見回す北に『もう少し上だよ』と急斜面に作られた石階段を指さす









『大丈夫?』

「おう」









ゆっくりと急斜面の階段を登る北の額にはじんわりと汗が滲んでいる
30分ほど登り終えると、「お久しぶりです」と狐のお面をつけた人が現れた









「…誰や?」

『ここの里の長だよ。ここは刀鍛冶の里とも呼ばれていて刀や刃物を作る里なんだ』

「へー…」

『こっちだよ。華原さん、いいですか?』

「どうぞどうぞ。宵も喜びますよ」









向かった先は、墓地だ









「!」

『お久しぶりです、華ノ原宵さん』









華ノ原之墓と墓跡に掘られた石の前にしゃがみ込み、『僕、もう大丈夫ですよ』と頭を下げた
掃除は毎日里の人たちがしているのだろう
とても綺麗だ









『宵さんの好きな桜餅と草餅、買ってきたんだ
よかったら食べてよ
それから僕、記憶を取り戻しました
あなたが心配していたことはあったけど、僕は後悔してません
友達もできた、兄さんともいる、両親のことがあったけど、それでも目一杯頑張ってます』









線香の匂いが鼻を掠める









『宵さん。今まで心配させて本当にごめんなさい
でももう大丈夫です。どうか、天国で僕たちのこと、見守ってください』









深々と頭を下げ、宵さんに挨拶をして立ち上がる
北を手招きして隣に立ってもらうと『宵さん』とお師匠様の墓跡に声をかける









『この人のおかげで僕は自分を取り戻すことができました
名前は北信介くん、僕の大事な友達です』

「北です、よろしくお願いします」

『宵さん、僕絶対に剣道で1番になるよ
あなたが作ってくれた刀で、きっといつか…』









しばらく近況を報告して、墓地を去り宵さん…華ノ原さんの家であった家屋へ向かった

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時

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