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学校終わり、僕はボーッとしていると「おい、恋雪」と廊下の方から呼ばれた
『兄さん』
「お前、いつも思うけどなんで廊下出てこないんだよ」
『面倒だから』
「ほんと…はぁ」
大きく肩を押しながらため息を吐いた兄さんの後をついて行くように廊下を歩く
『兄さん、何組だったの?』
「5組。知ってるくせに」
『確認だよ、確認』
「たち悪い確認だな」
『ひどいなぁ』
トコトコと歩いていくと、兄さんは「バレー部知ってるか?」とおもむろにそう言ってきた
僕は小首を傾げながら『バレー部?』と聞き返すと「お前本当に興味ないんだな」と呆れられた
「ほら、あの体育館でやってるんだ
アラン覚えてるだろ?」
『…アラン?』
聞き覚えのない名前に僕が再び首を傾げれば兄さんは「お〜ま〜え〜は〜っ」と僕の両頬をつまみあげた
「もうちょっとっ!物覚えをっ!よくっ!しろっ!」
『いひゃいよ、兄ひゃん』
ぱっと放された頬をさすりながら僕は『それで、なんの話だっけ?』とまた首を傾げれば兄さんは諦めたのか「バレー部!」とビシッと体育館の方を指さした
「アランが今日の練習見にきても大丈夫だって言ってたから見に行くんだよ
去年、なかなか忙しくて行けなかったから」
『そんな話してた?』
「したっ!去年!」
兄さんに背を押されながら僕は体育館へと足を向けた
見学するために2階の階段を登っていき、近くのベンチにカバンを置いて休憩していると、「ほら、恋雪」と兄さんが手招きする
仕方なくゆっくりと立ち上がりそちらへ歩いて行くと、「ほら、バレー部」と指さした方には練習をしているバレー部がいる
「ほら、あの色黒がアランだよ」
『ふぅん』
教えてもらってもどうせ僕はすぐに忘れるから教えても意味ないと思うけど
なんてことを胸の中にしまっておき、僕は兄さんが楽しそうに見るバレーをチラリと見た
特に変わったことも面白そうなこともなにもないのに、何が楽しいんだろう
それなら家に帰って本を読んだりした方がよっぽど暇な時間を潰せるというのに
「あ、主将の北だ」
『北?』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時