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北side
「北くん、勉強教えてもろてもええ?」
「おん」
女子が多いと思いながらも、勉強を教えていればチャイムが鳴る
ふと自分の隣の席に座っているはずの時川がいないことに気づいた
どこいったんやろか
「あれ、時川いないなー」
「トイレとか?」
「アリやな」
「………………」
どこいったんやろか…心配しつつも待っていること10分ほどだった頃、ガラッと教室のドアが開いたと思いクラスの視線が一気にそちらに向いた時
誰しもが驚いた
泥だらけの傷だらけの時川が何食わぬ顔で入ってきたからや
「え、時川!?」
「なにしてんねん!!」
『こけた』
「「こけた!!?」」
「ドジや」
「マヌケやろ」
「アホや」
ブレザーを脱いで椅子にかけてうつ伏せで机に突っ伏した時川に、「大丈夫か?」と声をかけるも、眠ってしまったらしい
「トッキー、もう寝とるな」
「つーか、なんでこけるんだよ」
「小学生かってか」
ワラワラと時川の遅れた理由に笑っているのと同時に、クスクスと笑う声が聞こえてくる
そちらにチラリと目だけをやると、女子数人が笑っていた
チャイムが鳴り、時川はゆっくりと体を起こすと目をこすり、また突っ伏した時だ
「恋雪」と裕紀が入ってきた
「恋雪!?」
「まあなるわな」
「恋雪、なんだよその怪我!」
『こけた』
「なわけあるかっ!」
消毒や絆創膏を取り出した裕紀は、簡単に処置をしてしまう
5分で全ての手当て終えてしまうんはすごいな
「で、本当の理由は?」
『よくわかんないけど喧嘩ふっかけられて無視したらやられた』
「…やり返さなかったのか?」
『別にしてないよ』
「お前のそのするかしないかの判断はなんなんだ」
真面目なツッコミにみんなが「殴られたのか?」と聞き返すと時川は『あ』と口が滑ったと言う顔になり『こけた』と誤魔化しが効かない答えを返した
「いや、無理やろ」
「殴られたんかい」
「こわ」
「相手は?」
『……さあ?女の子だったけど』
「男ならえぐかったな」
「つーか、そんな暴力的女、絶対嫌やな」
「なー。付き合うなら清楚なやつがええな」
「そー言う奴ら、ホンマモテへんよな」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時