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「京都かぁ」









遠足だと言う日
今日は朝からバスでの移動らしく、クラス別のバスに乗り込む
僕は兄さんとは違うクラスだから行きも帰りも違うバスだ









「隣ええか?」

『…好きにすればいいよ』









隣に座ってきたのは北というやつで、あれから毎日自己紹介されては物覚えの悪い僕でも嫌でも覚えてしまう
うざ絡みをしてきたあの双子の名前も覚えさせられてしまった









「えー、自由行動だが…人様に迷惑かけんように」









目的地である京都に着いて自由行動になるこの時間
僕はボーッと空を見上げながら話を聞かずに空に浮かぶ雲をどこで見たかと考えていた







ふんわりと何かが目の前に現れたと思えば、「こんにちはー!」と双子の1人、侑が僕を見下ろしていた
そういえば、全校生徒の遠足だったか









「なにしてはるんですか?」

『雲見てる』

「え、雲?」

『うん、雲』

「雲見てどーするんですか?」

『どうもしない。面白くないから雲見てる』

「んん?」









僕の言っていることが理解できていない侑はない頭を使っている
無駄なことだと思うけどね









「おーい、恋雪!」

『兄さん』

「そろそろ行こうぜ〜」

『うん』









侑からヒョイっと抜け出し、兄さんの元まで小走りで向かい2人並んで歩いていく
目的地まで徒歩で数分だ









「ついたついた」









でんっと大きく構える日本家屋の門
その門を強めにドンドンと叩けば「はい」と小さな子供が出てきた









「お待ちしておりました、時川恋雪様、裕紀様」

「お久しぶりです」

『こんにちは』

「どうぞ、中に」









小さな門の中に入り、僕たちは中庭の方へと足を向ける
そこで待つのがいつものことだったのだ




ここは剣道場
僕たちが幼い頃から通っていた剣道場であり、僕たちの師範がいる









「よく来たね、恋雪、裕紀」

「お久しぶりです、師範」

『こんにちは、師範』

「こんにちは、2人とも。今日はよく来たね」









2人の小さな子供に支えられながら歩いて行きたのは僕たちの師範墨火羅(すみひら)花月(かげつ)様だ

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時

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