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ある昼休み
それは唐突に起きた









「おい!グラウンドで女子がなんかやってんぜ!!」

「しかも相手時川!!」

「男か?」

「女!」









廊下が慌ただしくなり、何事かと外を見れば侑と治も廊下を走っていた









「侑、治」

「「(ギクッ」」

「廊下は走ったらあかんやろ」

「す、すんません…」

「でも北さん、今グラウンドで喧嘩やってるんですよ!」

「けんか?」

「時川さんと誰かです!」

「早よ止めにいかんと!」









せやから、廊下走っていい理由にはならんやろ
近くの階段から降りてグラウンドに向かえば、バチバチッと激しく何かがぶつかる音が響いていた



群衆をかき分けて前まで来ると、目を見開いた









「きゃっ!」

『…ねえ、もう終わり?もう?
随分と呆気ないね。それでも剣道部主将なの?』

「な、なんなのよ……っ!あんたみたいなのからなんで……!なんで私が一本取れないの!」

『知らないよ。練習の差があるんじゃない?』

「ふざけんな!!」









ブォンと竹刀を振った剣道部主将から避けた時川は、バシッバシッと竹刀を当てていく

容赦ない攻撃に青あざができていく
お構いなしに竹刀を的確に当てていく時川









「うっ…ぐっ……!」

『ほらね、当たらない。僕に勝とうなんて100年早いよ、100年後また挑むといいよ
でもきっとその時は死んでるよね。だって君、弱いもん』









容赦ない言葉が主将に降り注ぎ、怒り任せに竹刀を振り回す主将に、時川は『太刀筋が見え見えだよ』と言い、竹刀を叩き上げた









カラン!









『すごいね。こんなに下手な人初めて見たよ
僕、驚いたよ』

「なんでなんで………なんであんたみたいなのに負けるん!!」

『言ったでしょ。練習の差があるんだよ
君、自分の終わりを自分で決めてたでしょ
それじゃ強くなれないよ
強くなりたいなら血を吐く思いで強くならなきゃ
練習して本番で力が出せるようにならないと意味がないよ』

「………ッ」

『君、練習するの躊躇ったりしたんでしょ
だから弱いんだよ。強くなりたいなら、めげずにやらなきゃいけないよ』









それが分からないなら僕には勝てないよ。と、竹刀を投げ捨てた時川は、振り向きざまにまた言った









『一生ね』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時

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