メシとバレーと恋愛事案 (ページ20)

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『………………』

「うーーーわっ、悪質や」

ガサガサと靴箱から出てきたのは真っ黒な紙に「ふざけんな」「いい気になるな」などの手紙
赤文字だったり白文字だったり、ホラーにも程がある

それらを全て拾い上げ、少し大きめの袋に全て入れ込む
これ持って帰って父さんにバレたら面倒だな

「どないすんの？」

『校内じゃ、出してきた人にバレたら怖いからな～
とりあえず、近くのゴミ箱に捨ててくるわ』

「怖いな～。宮治とよう喋るようなってからこうなったもんな～」

『せやな～…持って帰ったら勝将も怖がるからな～』

「………いつでも言うたらええからな」

『…うん』

キュッと袋の封を縛ってゴミ箱に捨てると、「あれ」と宮くんがおった

「なにしてんの？」

『ゴミ出たからちょっと捨てとったんよ』

「そうなん？」

『おん』

「響紀～、勝将くん、遅なったらまた泣いとるで」

『あ』

声をかけてくれた友達に『せやな』とすぐに返し宮くんに『また明日』と挨拶をしてそのまま急いで勝将のいる保育園へ向かう

「あ、なにしとんのん、サム？」

「……菜野さん、好きや」

「知っとるわ、今更何言うてんねん」

「………………好きや」

(なんやねん、こいつ)

それからと言うもの、嫌がらせの類はエスカレートしていき、ついには

(上履き、なくなっとる)

どこを見ても中には上履きのないロッカー

隠されたってことよな

「響紀～…って、どないしたん？」

『んー…上履き消えてしもた』

「マジか、どないすんの？」

『んー……』

スマホを取り出し、予備の上履きを持っているか聞いてみるとどうやら、相手は持っているらしくそちらを借りることにしよう

『借りてくるわ』

「相変わらず、バレー部やな…そのまま入ったらどうなん？」

『入らへんよ、見とる方が1番楽しいからね』

裸足のままペタペタと廊下を歩いていると、「菜野さん!?」と慌てた声が廊下に響いてきた
振り返ってみると、焦った顔をしている宮くんがおった

「え、なん、なんで裸足!?」

『…あー…靴、なくしてしもて』

「えっ!?」