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「響紀、お風呂上がったぞー」
『うん』
床の間で勉強をしていれば、父さんが勝将とお風呂から上がってきた
まだ湿っている髪の毛をさせた勝将は、「あーー」と抱きついてくる
「こら、勝将。まだ髪の毛濡れてるんだからちゃんと乾かさないとダメだぞー」
「あい」
ビシッと手を挙げた勝将に、「よろしい」とバスタオルで拭いて行く父さん
湯冷めしないように入ってこいと言われてお風呂に入る
「響紀〜」
『なにー?』
「なんかずっとスマホバイブしてるけど大丈夫か?」
『誰からやろ…』
湯船に浸かっていると、父さんが脱衣所の外から声をかけてきた
液晶画面を見た父さんは、「宮……治?」と読んだ
『宮くん?』
「知ってる子か?」
『同じクラスの隣の席の子やで。なんなんやろ、置いといて上がったらすぐ見るわ』
「わかった」
ザバッと湯船からあがり、バスタオルで急いで体の水を拭き取って寝巻きに着替える
すでにスピスパ寝ている勝将を起こさないように、隣に座ってスマホをいじる
「こーら、髪の毛」
『おん』
ドライヤーとくしを渡され、鏡を見ながら髪の毛を乾かすと、またバイブレーションが入った
今度こそ、宮くんから
『はい、菜野です』
《宮です》
『どないしたん?なんかあった?』
《…宿題、教えてもらおう思うて》
『ええで。ちょっと待ってな、どの教科?』
《国語》
『ちょっと待っとってな』
鞄からゴソゴソと宿題を出していると、『全部?』とスマホの相手に聞いてみると《問の5番や》と返される
『えーと、それは』
「コンコンッ」
『!』
聴き慣れたその咳、スマホを放り出すほど急いで駆け寄り『勝将?』と声をかける
「どうした?」
『勝将がまた咳き込みそう』
「薬持ってくるから抱っこしてあげて」
『うん』
コンコンッと咳き込み始めた勝将を抱っこし、放り投げてしまったスマホを拾い『ごめんな、宮くん』と謝ると《なんかあったん?》と聞かれた
『ちょっとな。問いの5番やけど』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月6日 15時