元殺し屋はヒーローになる14 (ページ38)

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「敵もヒーローも関係ない……力の前ではすべてが平等……
それは……真の超人社会のあるべき形だ」

『そんなもん………ッ』

「ん？」

痛みに顔を歪めながらナインを見据え『間違ってる…！』と痛みに耐えながらも叫ぶ

『強いものがあるがままになんの制御も受けずに過ごす世界
弱いものが、当然のように淘汰されていく世界
それは自然な世界ではごく普通のものだ………ッ

でも、お前のその考えは間違ってる!!
お前のそんな世界、間違ってる!!!
そんな世界があるなら………私がぶっ壊してやる!!!』

生き残ったものを力でねじ伏せて支配するそんな世界
そんなもん、自由でもなんでもない

『お前のその世界はいつかきっと滅ぶ…!! お前の考えなんて、私が否定してやる…!!!
たとえ何があろうと、私が死のうと、私の意志を引き継ぐやつは大勢いる!!!』

「無駄口を」

『あ"あ"!!!』

さらに力を込められ、また骨が軋む
痛いだのなんだの言ってられない。抜け出さないと

「そんな身勝手な思い込みで……」

「イカれてんじゃねえ……！」

そう叫び飛び出した2人も使い魔に捕らえられた
逃れようと苦しみもがきながら吐き出す

「新世界を拒むか。ならば消え去るがいい」

使い魔がナインの意志のまま、私たちを岩壁にぶちあて、そのまま上空へとつれていく

ナインが両手をあげグッと握ると使い魔たちが私たちを噛みちぎろうと力を入れていく

『あ"あ"あ"!!!』

さっきよりもさらに力が込められ、意識が遠のいていく
どうすれば、いい…！

考えろ、考えろ！
こんなところで終わったら

(考えろ……オールマイトならどうする……!!)

(こ、こんなところで終われるかよ……!!)

(なんのために、これまで………ッ)

死ぬ気で積み上げてきた大事な作戦もこれから佳境に入るというのに！
こんなところで死ぬわけにはいかない

(考えろ……！考えろ……！)

(……負けたくねえ……！)

(死ぬわけには……いかない……っ)

みんなが命がけで戦って
守るために、救うために、ヒーローとして

諦める選択肢なんて私の頭には、最初(はな)からない