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「………」
《あ？聞いてるのか？》
なぜ公安委員幹部からの電話のはずなのに、この男が？
ホークスは疑問を頭の片隅に置き、那歩島と言う名前に確信を持っていく
「それ、“個性”喪失事件の容疑者です」
《だろうなぁ…キャットが言ったんだからな》
「キャットが!?」
《今、雄英生が戦ってる
早く救助チームを那步島に来させろ。あとは雄英に連絡入れろ》
「…わかってますよ」
《さっさとしねぇと…ガキどもが死ぬぞ》
「あ、おい！」
ホークスは電話の相手を呼び止めるように「待て！」と言うが、相手は早々に電話を切ってしまう
端末から追っても無駄だろう。彼の“個性”を使えば、足取りなんてつかめない
ホークスは非常口から出て、翼を広げ公安委員幹部に連絡した
NOside
「障子、活真くんたちを連れて脱出を」
「頼んだよ」
そう言って立ち上がった尾白と耳郎に、障子がハッとする
けれどすぐに2人の覚悟を感じ「わかった！」と泣きじゃくる2人を抱えて後方へと走り出した
「絶対にくい止めるぞ！」
「うん！」
尾白と耳郎はその後ろ姿を見送り、左右に分かれてダッと駆け出す
「見つけた……」
わずかにふらつきながらやってきたナインが橋の中程に差し掛かったとき、障子が活真たちを抱えながら城壁を登っているのを見つけた
使い魔を出そうとした瞬間、また細胞が死滅する激痛にナインが悶える
その橋の前端に耳郎が、後端に尾白がやってくる
耳郎がイヤホンジャックを手の音響増幅装置に繋げ、バッと地面に触れた
「ハートビート・ファズ！」
瞬間、耳郎の増幅された心音が衝撃波のように伝い、地面を捲り上げながらナインのいる橋を壊す
同時に尾白も橋に尻尾を旋回させぶつける
「尾空旋舞!!」
崩れ落ちた橋と共にナインも深い谷間へ落ちたと2人は思わず笑みを浮かべた
だが、突如瓦礫の中から使い魔が飛び出し、尾白に食らいつく
「ぐっ!?」
「尾白!? ぐあ！」
2匹目の使い魔も耳郎を襲う
城壁に叩きつけられる2人に、目も暮れることなくナインは使い魔で自身を引き上げ真っ直ぐ活真へと向かっていく
その顔には余裕などない
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年11月29日 0時
