元殺し屋はヒーローになる14 (ページ27)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:54,105 hit

102-11 ページ27

「こ、これは………」

「う…うう……ううおおおおおおおお」

驚く緑谷の向こうでナインが頭を抱え苦しみ出す
その額にはひび割れのような傷が浮かんでいる

待ち望んだ瞬間に緑谷が身を乗り出した

「きた、…限界時間！」

轟side

大滝の周りでは火災が大規模に広がり続けていた
理性を無くしたキメラはただ俺たちを殺すことだけしか頭にないように森を焼きながら追いかけてくる

俺たちは逃げることしかできないでいた

崖下に避難し炎を避けながらどうにもできない状況に全員が顔をしかめる

「なんてパワーだ」

「近づくことすらできないわ」

悔しがる切島と蛙吸
飯田はふくらはぎのエンジンを見てレシプロが終わると言った

どうするか考えていると、俺はハッとして真剣な顔を飯田たちに向けた

「……突破口をひらいてくれ。俺をヤツの懐に……」

俺の突然の申し出にみんなが驚くが、振動と共に近づいてきたキメラの足音にそんな時間はないと悟り、みんなが不安がる

「その後は」

「考えがある」

俺のまっすぐな目にただならぬ決意を感じたのか、飯田は「よし、これが最後のアタックだ！」と決断した

奇声をあげながら近づいてくるキメラの前方に飯田が立ちはだかる
そして残り時間の迫るエンジンを惜しげもなく加速させ近づいた

キメラが見つけた獲物に口から火球を連発するが、飯田は方向転換を繰り返して攻撃を避け続けた

俺がレシプロターボでキメラの注意を惹きつけるように言ったからだ
素早い飯田を仕留めようとキメラは躍起になっている

その隙にキメラの死角から俺と切島が氷結に乗って近づく
前の切島を俺が後ろから支える

「この感じ、神野を思い出すな！」

「ああ」

みんなで協力し、青子と爆豪を救出した時のことを思い返しながら切島は覚悟を決めた

「何が来たって耐えてやる、必ず懐に飛び込め!!」

「ああ！」

キメラが近づいてきた切島に気づき、炎を向けてきた
その前に切島は全身を超硬化させた

「安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)！」