元殺し屋はヒーローになる14 (ページ16)

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そこまで言えば、カルマは「あー、なるほどね」と目を細めた

「消耗…つまり」

『使わせて使わせて、活動限界時間まで私たちが叩きまくる
休憩なんて与えない、常にプレッシャーをかけつつ続けて攻撃する
“個性”を奪われるから近接戦はなるべくしないようにする
それで倒せればよし…倒せなくても』

作戦はその日の夜のうちに始まる
常闇、葉隠ちゃんが住民を城山の洞窟へと誘導し、脱出経路を確保するために3バカが動き出し、それと共に全ての動物を避難させていくE組

食料も防寒着も、全てだ

「頼むぞ、青子」

『任せなって』

「…無茶は」

『わかってる。安心してみんなと洞窟の中にいて
何があっても、外には出てこないで』

背を向け、磯貝たちを含めるE組に言えば、私の覚悟がわかったみんなは何も言わずに洞窟の方へ歩いていく

全ての準備を整え、敵を迎え撃つべくして活真と真幌、A組全員で頂上から眼下を見下ろす

夜明け前の空が瞬く間にオレンジ色に明るくなり、夜明けが始まる

『たとえ倒せなくても…救援が来るまでもちこたえれば…』

「みんなを守れる」

絶対、負けられない

「違え。絶対に勝つんだよ」

爆豪かっちゃんがそう言えば、穏やかな海と澄んだ淡いオレンジの空の間から輝かしい光が現れる

これから始まる戦いとはとても似合わないそんな色

戦闘開始を告げるには美しすぎる朝焼け

ー1時間後ー

城山の頂上から八百万ちゃんの作った単眼鏡を覗いていた障子がハッと声をあげる

「きたぞ、3人。予想ルートを固まって歩いている」

それを聞いて活真を庇う真幌に、安心させるように手を繋ぐ
グッと顔を引き締め山の麓を見る

『頼むからね、八百万ちゃん、青山』

その麓では、八百万ちゃんと青山がナインたちを待ち構えていた
苦しそうな八百万ちゃんが身を低くしてナインたちがポイントに近づいてきとのを単眼鏡で確認して小声で後方の遺跡の影に隠れている青山に伝える