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アッシュside
トラックを走らせマックスとショーターと共にジェシカたちを助けるために急ぐ
家の近くまで来ると、赤と青の光が見えた。警察だ
中に入ってみれば、毛布を肩にかけて乱暴された痕跡を持つジェシカと、心配そうにジェシカのそばにいるマイケルがいた
マックスがマイケルを抱きしめて安堵している横で、ショーターは「アッシュ…」と俺に耳打ちした
マックスからマイケルを受け取り、家を出て庭先に出ていくとブランカにマイケルを乗せて話を聞くことにした
ショーターは「マイケル、話せるか?」と聞くとマイケルは小さく頷いた
「あいつら、いきなり入ってきたんだ…ママは僕をキッチンに逃がしてそしたらあいつら怒って、ママを…」
そこまで話して涙ぐんだマイケルの頭を撫でたショーターは「悪いな…嫌なこと思い出させたな」と優しく言う。兄貴肌のショーターは子どもに好かれやすく、マイケルと会った時もすぐに懐かれていた
「マイケル。警察へはママが?」
「ジョージおじさん。ママと電話中だったんだ」
あぁ…俺の保釈許可のためにマックスが会わせてきた人のいい弁護士か
「それで、連中は逃げて行ったんだね。…白人?それとも黒人だった?」
「ううん、どっちでもなかったよ」
「「え?」」
俺とショーターの声が合わさり、さらにショーターは「まさか…」と青ざめている
俺だけわかっていなかったが、白人でも黒人でもないと言うことは、ディノの手下じゃない
「まさか…」
「アレンたちが、危ない」
ショーターが口元を押さえて「俺の、せいだ…」と小さな声で言った
狼狽えたショーターに「え?」と聞き返すと「俺のせいなんだ、アッシュ!」と声を荒げた
「あいつらに脅されて…姉貴を、出されて…ユーシスに…言われたんだ」
「ショーター、どういう…」
「ユーシスは英二を誘拐してゴルツィネに差し出すつもりだ!!」
「!?」
俺は急いでマックスを連れ出し、ショーターと共にトラックを走らせてドースンの屋敷へと急足で向かった
(アレン…英二…頼む、無事でいてくれ……!)
ハンドルを握りながら俺は動けないアレンと自衛の術がない英二の身を案じながら、トラックのアクセルを限界まで足で押した
伊部しかいない屋敷へ
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時