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10-2 ページ46

英二の肩に手を置いたあと、ショーターに耳打ちをする






「お前は残ってくれ」

「え!? なんでだよ…」

「どうも様子がおかしい…。俺たちを誘き出すつもりなら、人質を別の場所に移して罠を仕掛けてくるはずだ
ここを手薄にさせて、俺たちの弱いとこを突くつもりなら…3人が危ない…アレンが動けない以上、どうにもできない」










ショーターの肩に手を置いて「頼んだぜ」と言うとガタン!と大きな音がして全員が振り返った
階段付近に手をつき、壁にもたれているアレンがいた










「アレン!」

「おい、大丈夫か!?」












英二と伊部が駆け寄ると、アレンは『……アッ…シュ』と俺の名前を呼び、ヨロヨロと歩いてくる
トンッと俺の肩にもたれると『……よく、聞け』と俺にしか聞こえない声で言う









「アレン?」

『…………ショーターを、連れてけ』

「…え?」

『……い、から…連れて、け…頼む、から…お前だけ、でも…守れ…ちゃんと、見ろ…!!』

「アレン…」












アレンside







あの時、俺はなにを見ていたんだろうか



あの時俺が気付けていればと何度思っただろうか


あの時に戻れたらと何度思っただろうか






だけど後戻りはできない。時間を巻き戻せない



今なら間に合う







アッシュ、お前なら





友達を守れる


















ドクン!!








『…ぐあっ…!』

「アレン!」












甘い匂いがさらに強くなった
口元を押さえ込み、ズルズルと膝を崩し、床に崩れる













「アレン、しっかり…」









ガシッ!!









「え…あ、アレン?」










俺の肩を掴むアッシュの腕を掴み、俺は朦朧とする中アレンを見る
翡翠色の瞳が揺れて、アッシュは口を閉ざして俺を見つめている











『………後悔、する…なっ…連れてけ』

「アレン…」














ギリッと力強く掴むと、アッシュは小さく頷き「ショーター、着いてきてくれ」と言う
ショーターは「あ、あぁ」と頷き玄関の方に歩いていく







「アレン、すぐ戻る」













琥珀の瞳が揺れ動く



アッシュたちが玄関から出て行ったのを見送った途端、強い衝撃が心臓を襲う












『…ア"…ガッ…』

「アレン?アレン!」













息ができない…目も霞んできた
力が入らない…







(…死ぬ、のか?)













阿片の匂いを感じながら俺は深い闇の中へと落ちた

10-3→←10話 ハイエナの牙



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時

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