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10話 ハイエナの牙 ページ45

アッシュside





英二の大きな声にキッチンにいた俺とおっさんは目を見合わせ、ショーターと共に階段を駆け上がると廊下で倒れているアレンとそばにいる英二を見つけた









「アレン!!」

「どうしたんだ!?」

「わ、わからないんだ…後ろにいると思ったらいなくて、戻ってみたら…倒れてて」

「アレン、しっかりしろ。俺だ、アッシュだ。わかるか?」

『…ゔ…ガッ………ウ"ウゥ…!』

「アレン、おい!しっかりしろ!俺を見ろ、アレン!!」










体を揺すってみてもアレンは苦しそうにしている
何があったのかなんてわからない。なぜこんなにアレンが苦しんでいるのかもわからない











『…………ガッ…ゔ…ア"』

「とにかく、ベッドに運ぶぞ!」









マックスがアレンを抱えてベッドに向かい、横にするとアレンは『…ハッ、ハッ』と息をしている
ここに医者はいないし、俺たちは追われる身だ。下手なことはできない。だが、アレンをこのままにしておけるわけがなかった














ピリリリ








「!」

「おい、こんな時になんだよ」

「ジェシカ…?」










アレンの方が急ぎだと言うのに元妻の電話に出たマックスは、ご機嫌を取ろうとしたがすぐに声のトーンを変えた








「貴様、誰だ!?」












マックスの変わりように俺はアレンをショーターと英二、伊部に任せてマックスの電話に耳を当てた






電話の向こうには気力の薄いジェシカと泣き叫ぶマイケルの声だった
そして電話の向こうから聞こえてきたのは










《2人の命が惜しかったら、アッシュ・リンクスとアレンをここへ連れて来な》

「待て!2人に何かしてみろ、脳天に鉛玉ぶち込んでやる!!」











おっさんの叫びを最後まで聞かずに電話が切れると、「この家に武器は?」とすぐにユーシスに聞く。猟銃があるらしく俺は弾と一緒に持って来てくれと頼んだ









「アッシュ…」

「どうやら、簡単にはニューヨークへ帰らせてはくれないみたいだな」









ベッドに横になって苦しそうにするアレンを見た。こんな状態のアレンを連れて行けるわけがない












ユーシスが持ってきた猟銃をおっさんが受け取り、俺は銃のシリンダーに弾丸を込めた







「お前たちはここにいろ」

「しかし」

「これは俺の専門だ。従ってもらうぜ」

「アッシュ…」

「そんな顔すんなよ。俺に任せとけって。アレンを頼む」

「…うん」

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時

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