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7-3 ページ38

『…昼寝?』

「そう。明日、お昼から訓練はお休みでしょ?その間にお昼寝しましょう。みんなで、日向ぼっこして」

『………………』

「どう?」

『……………悪く、ない』

「でしょ?明日の朝の訓練のために今は寝ましょう?」

『………………うん』












モソモソと眠るために毛布をかぶって目を閉じようとすると、温かい手が俺の手に重ねられた












『…………イザベル?』

「…ありがとう、アレン」

『…?』

「いつもいつも、私たちを守ってくれて…あなたは、私たちの大切な仲間よ…」

『…………………イザ、ベル』

「だからね、アレン」


















“負けないで、阿片なんかに”



















『……………………』

「アレン…アレン!」

『………え…じ』

「アッシュ!ショーター!アレンが起きたよ!!」












涙を溜めながら俺のそばにいた英二は「よかった…よかった」と涙を手で拭いながらいる
ドタバタという足音と共に飛び込んできたのは、アッシュとショーターだった










「アレン!!」

「大丈夫か!? 痛いところとか!」

『……特に、ない』

「よかったぁぁぁあ…ほんっと心配した」












駆け寄ってきたショーターがベッドの前で膝を崩したと思いきや、「お前なぁ!! 気分悪いなら無理すんな!このバカ!!」と怒鳴ってくる



俺は起き上がると「あ、だめだよ!」と英二が寝かせようとしてくるのを優しく制した













「大丈夫なのか?」

『……あぁ、もういい』











まだ痛む頭を抱えていると「ピュア」と小さな鳴き声が腹の上からした。顔を上げるとそこには心配そうにするピュアが座っている



ぺしょりと耳を垂らしているピュアの頭を撫でて、もう大丈夫だということを伝えるように撫でればピュアは安心してガミガミと甘噛みをしてくる



じゃれ始めたピュアの腹を撫でていると、「どうして倒れたかわかる?」と英二が聞いてきた俺はゆっくりとピュアを撫でていた手を止めた










『…………………甘い、匂いのせいだ』

「甘い匂い?」

「どんな?」

『……………甘くて…腹がおかしくなる、匂い』

「甘い匂い、か…チョコレートか?」

『………多分』

「?」

『………次、あの匂いを嗅いだら、俺は…頭がおかしくなる』













あの匂いは、ハイエナ用に改造された阿片だ。無臭が基本だが、まれに強烈な匂いのするものもある
ハイエナは甘い匂いが基本嫌いで、その甘い匂いをつけたのがハイエナ用に改造された阿片だ

8話 バナナフィッシュ→←7-2



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時

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