7-2 ページ37
「あの…一体何があったんです？あなたがたはどういう…」
「あ、それはその…」
「なあ、こいつの中見てもいいから」
「あ、はい…でもログインするにはパスワードが…」
「ま、なんとかするさ」
「できるの？」
余裕の笑みで電源をつけたアッシュは英二に聞かれて肩をすくませた
その時、クラッとくる甘い匂いに膝が崩れた
「ん？…アレン!?」
「え？」
「アレン？」
『っ…………』
鼻と心臓の辺りを掴む。心臓を鷲掴みにされたような感覚と、甘く酔うような匂い、頭もグラグラと揺れている
床に手をつき、『…ハッ、ハッ』と短い息を吐いた
「アレン、しっかりしろ!! 大丈夫か？おい！」
ショーターの声が頭の中に響いてくる。なんだ、これは…どこかで匂ったのか？頭も痛い、鼻も、心臓も、おかしくなる
『………あ"…あ"あ"あ"ッ』
「アレン！しっかりしろ！アレン!!」
いやだ、いやだ、いやだ！
この匂いは…ッ！
『…………ァ、ヘン』
ﾄﾞｻｯ
「アレン…？アレン！しっかりしろ!!」
「アレン！」
そうだ、この匂いは…何度も嗅いだ
阿片だ
(すごい…本当に効いた…ハイエナ用に改造された阿片は甘味のある匂いだと聞いてたし、ハイエナではない普通の人間には効かない…
ということは、彼はハイエナの中でも特殊なアンバーハイエナ…なるほど、だから)
「おい、アレン！」
「アレン、しっかりしろ！目を開けろ!!」
「アレン！」
“………………！”
“お…い！お…ろ！”
“お、き…！”
“起きろ、アレン!!!”
『(ﾊｯ!!』
飛び起きた俺は辺りをキョロキョロとさせた
無機質な部屋の中、蛍光灯などなく起き上がった途端に「もー…なぁに、アレン〜…」と寝ぼけている声が投げられて俺は『…あ』と俺の隣で寝ていた奴を見る
『………悪い、嫌な夢、見て…』
「大丈夫？」
『……………あぁ、起こして、すまない』
「んーん、いいよー。明日も早いし、寝なよ〜」
『………あぁ』
「……………ねぇ、アレン」
『？』
俺の隣で眠っていたイザベルは起き上がると「明日、一緒にお昼寝しよう？」と言う
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月15日 11時
