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幼い子どもが買われている。そんな情報とアッシュの案内でクラブ・コッドという店を一望できるビルの屋上にきた俺たち
単眼鏡で覗くアッシュを横に、俺はじーーっと店を見る
「見てくれはなんてことないレストランだから、誰にも目をつけられない。この日は最小限の腹心しか連れてこないんだ。怖いお兄さん方にうろうろされちゃ、客の手前があるからな」
「…それで今日にしたんだね」
「あの李の力を借りるのは、気が進まないけどな」
単眼鏡を俺に投げ渡したアッシュに、俺は単眼鏡をどうするとショーターを見上げると「俺が持っとくよ」と回収してくれた
「あの人はゴルツィネをよく思ってないから味方してくれるんでしょ?」
「あいつはそんな甘ちゃんじゃねえ。奴も俺とジジイの揉め事の原因になったものに興味があるのさ。その辺の情報はバッチリ手に入れてるんだろう」
「だろうな。お前が逃げたって知らせてきたのも、あの人の部下だった」
「何も信じられなくなってきた」
「まあ、そう悪くもないさ」
歩き出した3人が振り返って「おい、アレン行くぞ」と呼びかけてくる
縁に立ってじーーーーっとクラブ・コッドを目に焼き付けた俺はギリギリッッと奥歯を噛み締め歯軋りした
「あ…アレン?」
「おい…」
「ど、どうした?」
『(ギリィィッ!!』
幼い子どもが買われている
そんなことあってたまるものか
「アレン」
アッシュに呼ばれて俺は静かに立ち上がり、口を閉ざして歩き始める
3人が俺を見て顔を見合わせるてるのに気づきながらも、俺は中に入った
壊す、殺す、全部
そのための力だ
人気のない倉庫にやってきた俺たちは、大型トラックを運転するショーターの下、乗り込んで店への襲撃を企てた計画を実行に移すことになった
「英二、詰めろ。アレンが乗れねえ」
「う、うん」
助手席に座りこんだ英二が運転席側に載っているショーターの方に詰め寄り、空いたスペースに俺が小さくなって座ると、「アレン、小さいんだね…」と見てくる
『………俺、体柔らかいから』
「なるほど…」
「おーい、行くぞー」
ショーターの運転で動き出した大型トラックは、店へと向かった
腰から取り出したオートマチックを握り締めながら
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時