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4話 ケープコッドへ ページ13

“アレン…”





“おいで…私のかわいいかわいいアマデウス”








“お前は名器だよ…アレン”













“さぁ、アレン…今日も楽しもう…私のために、そして…キミのために”















『うわあああああああああああああ!!!!!?』











心臓を鷲掴みされたような衝撃が体を走り、飛び起きた俺は青ざめて肩で息をし大きな声で叫んだ
ガタガタ震える体と、驚くほどに冷や汗をかいているのに加えて、吐き気もあった












『ぐっ…ゔぇっ…』










せりあがってくるものを耐えきれず吐き出して、口の中が気持ち悪くなり手近にあったペットボトルを手にして口の中をゆすぎ、さらに頭からぶっかけた











『ハーッ…ハーッ…ハーッ』













口元を押さえながらガタガタ震える体を押さえつけるように片手で抱きかかえ、ゆっくりと立ち上がる




今、俺たちはケープコッドへ向かう道中でトラックを停めて草むらで寝ている
というのも、トラックの調子が少し悪くなったのでこれ以上進むのはやめて明日また再出発することになったのだ







俺はアッシュたちから離れた場所で寝ると言った
寝顔を見られるのではなく、人の気配がありすぎると何かが近づいてきた時の反応が鈍るからだ






アッシュたちのいる方を見てみると、誰も起き上がるような気配もないし俺の叫びに反応している影もない
ホッとしたわけではなく、俺はガタガタと震える体を抱きながら力が入らない足を動かして歩き始めた




落ち着くまで歩いていればなんとかなる












(あんな夢…久しぶりに見た)











俺がまだ、“こうなる前”の頃だった












(寒い…寒い…寒い)










体中が寒くて仕方ない。水を被ったせいじゃない
何かが寒いのだ、冷たいのだ

















『………イザベル、イザイラ、ノエル、ノア、ヴァナ、ヴェル、エリー、リベル…寒い、寒いんだ……』














“アレン!まぁた毛布被らないで寝たな!? お前ホント風邪引くぞ!?”



“バアカ。アレンは風邪なんか引かねえよ。お前じゃあるめぇし”



“いや、俺だって好きで風邪ひいたわけじゃ…”




“あんたたち、うるさいッ!ノアたちが起きるでしょ!!”



“お前がうるせえよ”




“アレン!僕たちと一緒に寝よう!”




“あ、ずるい!私も!”







“…なら、みんなで”




“あったかいねー!”
















『………………………………みんな、寒いよ』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時

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