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「ん〜っ!うまい!」
屋台で買ったホットドッグを食べて嬉しそうにする英二と、その隣でモソモソと食べている俺、豪快に口を開けているショーター、ホットドッグをマジマジと見て八重歯を剥き出しにして大口で食べるアレン
横一列に4人並んでベンチに座って食う
「あいつら、普通に見てると子どもだな」
「…アレンは、どういった子か知ってるのか?マックス」
「…いや、アンバーハイエナは人間を殺すよう調教されたとしか情報がない。…が、噂によると」
「?」
マックスと伊部が何かを話しているのを遠くから確認していると、「アレン、そっちの美味しそうだね…」と英二がアレンのホットドッグを見ている
アレンは自分のホットドッグのことを言われて、パチパチと琥珀の瞳を瞬きさせてホットドッグと英二を交互に見ると『…………やる』と半分ほど残ったホットドッグを差し出した
「いいの!?」
『……………やる』
「うわああ!ありがとう!!」
「アレン、いいのか?腹は」
『…………2日我慢すれば、保つ』
「いや、食えよ」
あーーんっ!とでかい口で食べた英二は「僕のもあげるよ!」とホットドッグをアレンに差し出した
アレンは『…えっ…』と声を漏らすと、英二を見た
「美味しいものは、みんなで食べた方が美味しいし、僕のも美味しいから食べてみてよ!」
『…………………』
「あ、食べかけは嫌かな?」
英二がホットドッグを引っ込めようとしのをアレンが英二の手首を掴んで自分の口元に寄せてガブリとかぶりついた
ホットドッグをかじりとったアレンは豪快に食うと、英二は「うわぁ…本物のライオンみたいだ」という間抜けな感想を述べた
『…………………辛い』
「え、そう?…マスタードのってるところ食べたの!? しかもそこ…」
『………………辛い』
「すっごくのってたところ…」
「水いるか?アレン」
もきゅもきゅと食べているアレンが辛い辛いと言いながらも水を求めなかった。辛いなら水を飲めよ…
ゴクンと飲み込んだアレンはヒクヒクと鼻を動かすと『…辛い』と言う。だから水を飲め
ショーターに渡された水を無理やり飲まされているアレンを眺めながら俺は笑った
マックスたちの会話のことなど忘れて…
「アンバーハイエナは、人間のセッ クスの道具に使われていたらしい」
アレンがどれほどの立場であるのかも…
この時俺は、何も考えていなかった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月15日 11時