青葉城西の1人のAssassin (ページ6)

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フラつき、ドサリと倒れたその先生
しばらく麻痺して動けないだろう

うんうん、技も洗礼されてる

これは使えるな

「ゆ、雪霧、今何して…」

『何って、麻痺させただけだよ』

「麻痺!? 手を叩いただけでか!?」

『簡単だよねー…ホント、ただ手を叩いただけで人の意識を刈り取れる』

生まれ持ってしまったこの才能を誰かのために使うと誓ったあの日から、もうずいぶん時間が経ってしまった

あれから喧嘩は絶えないし、時間は有り余るし、つまんないし

去年のようなガチガチのバトルや、興奮するような出来事もあの「熱気」ももうない

「お前…何者なんだよ」

『ただの生徒だよ』

人差し指と中指を立てて、Ban！と銃に見立てて撃ってみれば、3人はキョトンとする

平和に、なんにも考えずに生きてきた人には分からないだろうな

色濃く過ごしてきたあの一年で得た、殺し屋のスキルを

それから、あの生活指導の先生が私を指導することはなくなった

私がやった1発の柏手が怖くなったんだろう

懸命な判断だ

『…………………』

「こんにちは、雪霧さん。また会えて嬉しいよ」

『こんな再会望んでないです』

青葉城西に新しく就任してきた理事長先生がいるからってことで、体育館で全校生徒が集まって話を聞くことになった今日

なぜ目の前に浅野理事長がいる

『あの…なんで、ここに？』

「浅野くんとよく火花を散らしていた君のいる学校でなら、退屈しないと思ってね」

『まるっきり不純な動機ですね』

この人の経営手腕ならもっと上の学校や、一からまた学校を建てることだってできただろう

なぜまたこんなところに

でもまあ…

『これからもよろしくお願いしますよ、浅野理事長』

「こちらこそよろしく」

この人が支配するであろうこれからの青葉城西は、きっと退屈しないだろう

なんせこの人は、教育のスペシャリストであり、あの超生物と互角に渡り合ったのだから