青葉城西の1人のAssassin (ページ46)

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及川side

あの雨の日から、確実に都笑ちゃんがおかしい

朝に偶然、登校するのを見かけて声をかけようとしても、彼女から放たれる“何か”に足がすくんだ気がした

学校でも、金田一によればクラスメイトと会話をしない時はどこか緊張しているような、何かに怯えているような顔つきだと

そして極め付けは、都笑ちゃんが誰とも話さなくなったことがあると

クラスメイトも、まるで都笑ちゃんの存在に気づいていないかのような態度を取ることもあり、俺は岩ちゃんと一緒に都笑ちゃんのクラスへ向かった

「金田一」

「及川さん」

「都笑ちゃん、いる？」

「雪霧なら、窓辺に」

窓の淵に手をかけ、外を見つめている都笑ちゃん
何があってそこにいるのかわからないけど、今言えることは、都笑ちゃんを1人にはしてはいけないこと

「都笑ちゃーん」

『！』

「暗い顔してる都笑ちゃんに、及川さんが笑顔を授けましょー」

『え、ちょっ』

都笑ちゃんの頬を掴み、むにゅっとすれば『ふぁにふるんれふか』と、睨みながら言う都笑ちゃん

「…最近、何かあるの？」

『！』

「都笑ちゃん、最近笑ってない」

『…………………』

ゆっくりと頬から手を離せば、都笑ちゃんは気まずそうに目線を逸らした

『…去年、ちょっとしたことがあって、罰を受けてた人がいたんですけど…その人が今、逃げ出したって聞いて…』

「罰？」

『……』

都笑ちゃんは、それ以上は語らなかった

それから都笑ちゃんは、学校を休むようになった
まるで何かから逃げているような気がしてならなかった

担任の先生に聞いてみても、「体調がよくないらしく、今寝込んでいる」と、お兄さんから連絡が来たらしい

急ではあるが、従兄弟の人も来ていて今は忙しいらしい

何かしてあげられないかと考えても、都笑ちゃんの家も知らなければ、連絡先だって知らない
俺は、都笑ちゃんのことを何も知らない

「岩ちゃん」

「あ？」

「都笑ちゃんの家、行こう」

「………………おう」

部活終わり、コンビニで食べやすいゼリーと飲み物を買って都笑ちゃんの家に向かう

場所知らないけど