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8-4 ページ42

「…スパイカーの前の壁を切り開く…その為のセッターだ」

『………』









タイムをもらい、ほんの少しの時間だけの作戦会議…









「…いいか、打ち抜けないならかわすぞ
お前のありったけの運動能力と反射神経で俺のトスを打て」

(なのか?)









わかってないし、取り敢えずやってみるの域ではないけど…この2人なら、多分やりそう







































と、思ってた、のに……………









「お前反応速いんだからもっとこう、バッ!っとこいよ、グワッ!っと!」

「「バッ!」なのか、「グワッ!」なのか、どっちだ!!!」

「重要なのはそこじゃねぇよ!!」

『影山、日向、ストップ…』

「「!」」

「それじゃあ、中学の時と同じだよ」

『うん…』









菅原さんの隣で俺が頷けば、影山はむむむっと口をもごもごとした









「日向は機動力に優れてる、反射にスピード、ついでにバネもある。慣れれば速い攻撃だって」

『違う』

「?」

『日向のその“すばしっこさ”の武器を影山のトスが殺してるんだ』

「!」

『日向には技術も経験もないし、中学でお前にギリギリ合わせてくれてたっていう優秀なプレイヤーとは違う
でも、素材はピカイチだ。磨けば光る原石みたいな感じ…わかるか?』

「…………なんと、なく…」

(わかってなさそう)









眉を寄せてぐぬぬっ…と唸る影山に、俺はもう少しわかりやすい表現を考えた









「…お前の腕があったらさ、なんつーか、もっと日向の持ち味っていうか、才能っていうか、そういうのもっとこう…えーっと…なんかうまいこと使ってやれんじゃないの!?」

「…?」

『………日向の持ち味である“すばしっこさ”を、影山のトスで使えないかってこと、だと思う…』

「そう、それ!
……俺も…お前と同じセッターだから、去年の試合…お前見てビビったよ
ずば抜けたセンスとボールコントロール!
そんで何より…敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!
…俺には全部ないものだ

技術があって、やる気もありすぎるくらいあって、何より…“周りを見る優れた目”を持ってるお前に、仲間のことが見えないはずがない!!」

「……………」

(あ、これわかってないやつ…)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年2月13日 22時

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