殺し屋のバレー【男主】 (ページ34)

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「リスクを承知でバレーをするのか？」

『…無理のない程度に慣らしていけば、足は少しずつ治るんです………
別に“絶対飛べない”ってわけじゃなくて………』

「なら、選手じゃなくてマネとか」

『けど…！』

「「！」」

『俺がこの烏野に来たのは、この烏野でバレーがしたくて、この烏野で………全国に行きたいんです…
俺が、見れなかったあの舞台を…今度こそ見るために…』

絶対飛べない足になった
そんなのただの言い訳だ。バレーを辞めるための言い訳にしか聞こえない

けど俺は、たとえ足が壊れてもいい

死ぬまでバレーがしたい

「…足は必ず治るのか？」

『ある程度のストレッチや制限は必要です…
でも、インハイ終わるまで医者から止められてるだけです
だから…春高には間に合います』

俺はたしかに足を故障してる
けど、そのせいでバレーを辞めたいとは思ったことがない

むしろ続けたくなった

「…無理のない程度に、頑張ろうな！」

『…はい』

「で、見ていくか？」

『…ほんの少しだけ、いいですか？』

「おう、いいぞ」

ジャージに着替えた後、体育館の中での見学が始まる
澤村さんは無理しないようにとパイプ椅子を出してきたけど、そこまで軟弱じゃないのでと笑って断っておいた

「そういや、暁はどれぐらいバレーできるんだ？」

『え？』

「ほら、中学2年までやってたんだろ？」

『あ、はい…』

「どこまでできるんだ？」

『一通りはできます。セッターもリベロもウイングスパイカーもミドルブロッカーも…』

「オールラウンダーかよ…！」

「すげぇな!!」

「得意なポジションは？」

『強いて言うならミドルブロッカーです…友達がよくブロック教えてくれて』

「へぇ！」

部活も終わり片付けを手伝っていれば、澤村さん達がドアの方に集まっていた
多分、昼間のあいつらだろう

「丁度いいや。暁」

『？』

ちょっと来てと手招きで澤村さんに呼ばれた

なんだろうかと思いながらドアの方に行くと、「お前らのほかに暁を含めた数人1年が入る予定なんだ」と澤村さんが俺の背中をポンッと叩いた