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「吉田大成くん」
「はい…」
III-E 〔27〕 吉田 大成
「この29人の未来への糧になれたなら…」
「自律思考固定砲台 律さん」
《はい》
III-E 〔28〕 自律思考固定砲台
「死ぬほどうれしい事だから」
「堀部イトナくん」
「……はい」
III-E 〔29〕 堀部 糸成
「本当に、本当に楽しい1年でした」
「幸あれ」
「皆さんに暗殺されて…先生は幸せです」
「旅立つ者から旅立つ者へ…」
「命まるごとの」
「エールを!!」
俺たちの頭の中に、殺せんせーとの思い出が走馬灯のように駆け巡った
楽しかった事、怖かった事、嬉しかった事、楽しかった事、楽しかった事、楽しかった事
全てが頭の中に駆け巡っていく
だけど
「さようなら、殺せんせー」
「はい、さようなら」
潮田は、余計な言葉は口に出すことはなかった
感謝、惜別、全ての気持ちを刃に込めて、魂を注ぐように全身で“礼”をするように
ナイフを差し出した
「卒業おめでとう」
最後に、そう言った気がした
フワッ…
殺せんせーの全身が眩しく、優しく弾けた
光の粒子になって
フワフワと飛んでいく綺麗な粒子は、まるで三日月の…いや、雪村先生に会いにいくように、ゆっくりと飛んでいく
俺たちが握っていたはずの手から、ゆっくりと、ゆんわりと、消えていく
全ての粒子が飛んでいってしまったあと、残されたのは…先生の来ていた服と俺たちだけ
「うっ…………うっ…」
「ひぐッ」
「うぐっ、あっぁあ」
『ぐっ………ひぅ…ぐッ…』
「「うぅ、うあぁ、あああ、ぁあ、あぁ、ああぁあぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」
俺たち全員の泣き声が、響き渡る
間もなく12時になる
椚ヶ丘中学校卒業の日
一足先に俺たちは
暗殺教室を卒業した
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年2月13日 22時