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4話 暗殺の時間 ページ21

「ふぃーーーーっ、疲れました」









地面に倒れ込んだ殺せんせーは、いつになく満足気で、いつになく、弱々しく









「皆さん、暗殺者が瀕死の標的(ターゲット)を逃がしてどうしますか」

『……ッ』

「わかりませんか?殺し時ですよ
楽しい時間は必ず終わるものです。それが…教室というものだから」









溢れ出しそうになる涙を堪えるために空を見上げた
眩しく、膨れ上がっていくレーザーの光









予定に変更がないことを、雄弁に残酷に物語っていた









今俺たちが殺さなくても、もうすぐ発射されるレーザーが、殺せんせーの全てを破壊する


暗殺期限まで残り30分を切り、今すぐに発射されてもおかしくない時間だった








誰も、言い出すことができない
殺したくない、生きていて欲しい









「……みんな、俺たち自身で決めなきゃいけない」

「「……!」」

「このまま、手を下さずに()に任せる選択肢だってもちろんある。手、あげてくれ」









クラス委員長である磯貝が、切り出しにくい空気をゆっくりと口を開いた切り出してくれた
磯貝だって、言いたくなかったのに









「殺したくないやつ…?」









ゆっくりと、一人一人が手を挙げる
もちろん、俺もだ。死んでほしいなんて思わない、思えるわけがない









「…OK、下ろして」









嫌だ、こんな選択肢


なんで、「殺したくない」の反対の









「殺したい奴?」









いつだって





銃と









ナイフと









先生がいた









(クソ……くそっ…!)









全員が静かに手を上げた






…これが、俺たちの答えだ









俺たちは生徒である以前に殺し屋であり、殺せんせーは先生である以前にターゲットだ






絆を守って卒業するために、恩師に対してすべきこと









みんなが、痛いほどわかっていた









「…暁」

『…わかってる…』









赤羽に諭されて、殺せんせーの触手を握った
二学期末のテスト、目標を達成した俺たちへのご褒美に先生が教えてくれた弱点

4-2→←3-3



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年2月13日 22時

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