桜蘭学園ホスト部の恋3 (ページ24)

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おかげで人は寄り付かず、舎弟さえもその怒りを買わぬようにと遠巻きに恐れた

結果、彼は孤独だった

「ほんとは子猫とか好きだしよ…本読んだり、文章書くのも好きだし、痛いのとかはむしろ苦手な方で
けど、根が照れ屋なもんだからよ。今更どうやって人と関わったらいいかわかんねーでつい」

(理央が好きそうなタイプだ)

(……かわいい)

「けど本当は俺だって、仲間とつるんで土手で缶蹴りしたり、舎弟たちと海辺で追いかけっことかしてえんだよ」

｢｢なんかノドかわいてきたーー｣｣

「長年の友人ゼロ人生が彼の時代錯誤感に訂正の機会を与えなかったわけか」

「…銛之塚先輩、教えてくれ
なんであんたはそんな風なのか

そんなに目つきが悪くて、無表情で、無口で無愛想で、じゅうぶん地獄の番犬みたいなツラしてんのに、どうしたらそんな風に周りに慕われることができんのか

どうか、その秘訣を俺に…!!」

ザクザクとモリ先輩の胸に突き刺さる言葉の刃物

｢｢いいよ!!｣｣

「また勝手に…」

『可愛い…』

とまあ、こうなったんだけど…

ボサノバ君、なんか落ち込み気味である

「うーん。こりゃ先行き暗いネ
つか営業妨害？困っちゃうよね～」

(自分が勝手に引き受けたくせに…)

「殿ー。なんとかしなくていいわけ？」

「だめだ、放っておけ
彼はモリ先輩のお弟子さんだ。俺たちが口を挟んでいいことじゃない」

ふーん…環先輩って、案外そう言うこと言うんだ…

意外だ

「…環…」

完全に助けを求めたモリ先輩に、環先輩はデレっとした顔で「わかりました」と言った

ああ、なるほど

手を出したくて仕方なかったのか

「ボサノバ君、俺のことは仮にキングと呼ぶといい
いいかね？君とモリ先輩の相違点は多々あれど、決定的に君に欠けているものが一つある

それはラブリーアイテム!!」

「!?」

「今回ご紹介するのはこちら!! ラブリーアイテム「みつくに君」
エネルギー源はケーキ1日10個!!
今ならオプションでハニー花を100個おつけしております!!

たしかにモリ先輩は一見、目つきが悪く冷たい印象かもしれん
ところがこの「みつくに君」を肩に乗せればどうだ!!
まるで小動物に好かれる森のくまさん状態!!」