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「セバスチャン」
『ホットミルク、美味しかった』
「それはようございました」
今日一日、罵倒の嵐だった中そう言われて幾分かはマシになれたものの「それから」と言う言葉に耳が反応する
「明日の朝食が今日みたいにまずかったら許さないからな
毎食子犬のようにホットミルクで生活するハメになるのはごめんだ」
ピシッと笑顔にヒビが入る
「……かしこまりました。おやすみなさいませ、坊ちゃん、お嬢様」
パタンとドアを閉めて、主人達の前では見せない顔つきをして舌打ちをする
「あのクソガキッ」
ー翌日ー
「結局、今日の朝食もまずかった」
「申し訳ございません。レシピ通りに作っているのですが…」
「味見してないのか？」
「私の味覚はヒトとは違いますから
どうお気に召さないのか教えていただければ改善に勤めます」
坊ちゃんの髪を整えながらすでに整え終えたお嬢様にも視線を送れば少し眉を下げて微笑む彼女がいる
「ともかく、今日からやることがたくさんあるぞ
僕は
教えてもらう前に先代は亡くなってしまったからな
アニエスも、受け継ぐのを降りたから教えてもらっていない」
「お家のことはもちろんですが、当主たる者大人に劣らぬ知識と教養を身につけて頂かなくては
社交会には
語学に経済、射撃に乗馬…学んで頂くことは山積みですよ」
「……アニエスは」
「？」
「僕よりもそれは多く学んでいる
だから、彼女は学ぶことは少ないと思う」
「………。昨晩のうちに調べたのですが、以前は
「いい。今は…アニエス以外誰も屋敷に入れたくない」
「……」
チラリと彼女を見ると、持っていた本を読んでは顔を上げてボーッとしている
「では僭越ながら代役を私が勤めさせて頂いても？」
「お前が？」
「伊達に長生きではありません。ですが私はスパルタですよ」
「それくらいでいい。伯爵と執事…僕もお前もまだニセモノだ。誰より早く本物にならなくては」
「かしこまりました」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年10月11日 21時
