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「先代は勝負に負けた。今度は…僕たちは絶対に負けない
ファントムハイヴ家当主、シエル・ファントムハイヴとして…絶対に！」
小さな手の中に血みどろの指輪を握りしめた彼に、私は「ふふ」と笑いを漏らした
「……何がおかしい」
「いえ。私には嘘を吐くなと仰るのに、あなたはとてもうそつきでいらっしゃる」
そう言ってみれば、彼はギロリと睨み彼女を連れて歩いていく
なんともまあ面倒な
しかし、たとえヒトの子が一生を終えるほどの時間がかかったとして私には瞬きの間のこと
少しの間の暇つぶしになって腹が満たされればそれでいい
「ではご主人様、お屋敷に戻りましょう」
『…………場所が、わからないの』
「えっ」
『………ここが、どこかも…わからない
私も
「かしこまりました」
これはこれは…とんでもない箱入り坊っちゃまとお嬢さんに仕えることになってしまった
「待て悪魔」
『あなた、名前は？』
小さな手２つで引き留めた彼らに、「ご主人様達のお好きなように」と笑いかけると「じゃあ…」と彼が口を開いた
「セバスチャン。今日からお前はセバスチャンだ」
「かしこまりました。では今から私のことはセバスチャンとお呼びください。前任の執事の名前ですか？」
「犬の名前だ」
『………………』
前言撤回
お嬢さんの方はまだ礼儀が良い
だが、とんでもなく性悪なガキに仕えることになってしまったことだ
2人が言ったロンドンの王立病院に向かい、親戚との面談をお願いするた」に受付で話をしていると、ガシャンッという大きな音が響いた
「あ…ああ…!!」
「じいや!?」
『どうして…!!』
「坊ちゃん…っ、お嬢様…っ、よくぞ…よくぞご無事で…！」
ご老人へと駆け寄り抱き合った3人
彼の病室である部屋に訪ね、今までのこと、そして自分たちの身に何があったのか話をした
「そうか。じいやも犯人は見てないのか」
「はい…。申し訳ありません。旦那様をお守りできず…」
『……じいやの、せいじゃない』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年10月11日 21時
