探偵の姉は暗殺者です2

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『でも、検察の公安部だけは違うの』

窓際まで歩くと音風は縁にもたれた

『はっきり言って、検察の公安は警察の公安に歯が立たないの
捜査員の人数やノウハウに雲泥の差があるからね
だから、起訴にも『公安的配慮』が働くときがあるの』

音風が目を伏せながら言うと「特に」と殺せんせーが口を開いた

殺「今回のサミット会場の爆破は、公安警察の顔に泥を塗ったも同じということ…ですよね？
必ず起訴しろという圧力が容易に想像できますねぇ」

触手で自身の顔を押さえている殺せんせーに『えぇ』と音風が言う

倉橋「検察とか警視庁とかはドラマとかで聞いた事があるけど、警察庁って何なの？」

倉橋の言葉に『うーん、そうねぇ』と音風は顎に手を添えた

『簡単に言えば』

窓から離れ黒板へと移動する
カシュカシュとチョークで図を描いていく

『さっきの説明を補足すると…こうなるの』

磯貝「なんか、難しいのばっかりあるな…」

『えぇ、皆さんがご存知の警視庁は、東京都の警察行政機関。都内で起きた事件を捜査する機関よ
その中の公安部は、テロや組織犯罪といった公共の安全と秩序を乱す犯罪を主に扱う部局なの
刑事部とは捜査手法が異なるの
簡単に言えば、違法作業ね』

殺「ほうほう」

『で、検察庁。検察庁は法務省の特別な機関として全国に設置されているの
最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁の4つがある
ここでは東京地方検察庁を指すわ。
で、その中の公安部は、公安事件を捜査、犯人を起訴するか不起訴にするかを決めるの
この検察庁と警察庁の公安部はどちらも公安的配慮が働くときがあるの』

前原「難しいぞ……これ」

『あまり覚えなくてもいいものだけど、覚えておくと便利なものよ』

頭を抱える前原に音風は『そして最後』と黒板に書いた「警察庁」を指差した

『警察庁…これは国の警察行政機関。都道府県の警察組織を監督、指導する機関よ
そして、この中の公安部が、警備局警備企画課…公共の安全(公安)を維持するためにテロなど組織犯罪を主に担当するの』

杉野「長ったらしい名前だなぁ…」

『そうね…じゃあ、これは聞いたことない？
「存在しない組織であれ」……通称「ゼロ」…
ゼロの存在は世間に伏せられ、その活躍は影で囁かれるものだけ…』

鋭い目で言うと「ゼロかぁ」と矢田が顎に手を添えた

矢田「あんまり聞いたことないけど、ドラマで聞いたことあるよ」

『多分、それがゼロだと思うけど、ドラマのは簡単に言っているだけで実際は本当じゃないけどね』

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