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『下の名前で呼ぶんですね。自分の事務所で働いていた事務員の羽場さんを、二三一って』
音風が言うと、鏡子は持っていた調査報告書をバサッとテーブルに置いた
橘「…彼が拘置所で自 殺したことは?」
唐突に聞かれて英理は「え?ええ…」と戸惑いながら頷いた
橘「その自 殺は、拘置所の中で公安警察に取り調べされた後、すぐだったんです」
「『(……!?)』」
鏡子から意外な事実を知らされた瞬間、コナンと音風の頭の中を風見の言葉が駆け巡った
風見『去年、拘置所で取り調べ相手を自 殺に追い込んだ』
コナン(まさか、安室さんが…!?)
『(まさか…そんな、でも降谷さん…)』
2人が考えているそばで、白鳥と英理は鏡子が告げた事実を訝しんだ
英理は「なんで公安警察が?」
白鳥「そんなの聞いた事ありません」
鏡子はテーブルに置いた調査報告書の羽場の写真を見て、握り締めた拳を震わせた
橘「二三一の自 殺にはそんな奇妙なことが重なっていた…」
英理達が無言で鏡子を見つめていると緑が「あの…」と遠慮がちに口を開いた
栗山「羽場二三一さんは、司法修習生を罷免されてますよね…?」
英理「裁判官を目指してたってこと?」
英理の問いに、緑は「はい」と頷いた
栗山「ですが、彼は裁判官に採用されず、終了式の時に無理やり壇上に上がって不採用となった理由を所長に求めたそうです
その行動は自己満足的な正義感による暴走と見なされ、裁判官はおろか…」
『弁護士になる道もなくなり、司法人生を絶たれた…』
言いよどむ緑に、音風が続けて言った
心ここにあらずといった面持ちで、ぼんやりと宙を見つめている鏡子
コナン「…なぜ、羽場さんを事務員にしたの?」
コナンが尋ねた
橘「…人にはね、表と裏があるの。君や工藤さんが見ているのは、その一面に過ぎない」
そう答えると、鏡子は英理の方を向いた
橘「外で娘さんから聞きました。毛利さんが不起訴になったなら、私はもう用済みですね」
ぺこりと頭を下げ、英理の返事を待たずに部屋から出て行った
コナンが鏡子の言葉を思い巡らせていると
白鳥「じゃあ、私も捜査が残ってますので」
白鳥が帰ろうとしていた
『犯人のノーアを調べるんですよね』
音風が声をかけると「えぇ」と立ち止まった
白鳥「NAZUに捜査協力を依頼してあるんだ」
コナン「NAZUって、アメリカの?」
白鳥「そうだよ。NAZUでは昨年、ノーアを使った不正アクセス事件があってね」
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サッカーバカ(プロフ) - チーズたまごさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが、よろしくお願いします! (2019年3月16日 19時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
チーズたまご - いっつも楽しく読んでます!ゼロの執行人大好きなので続き楽しみです!更新待ってます! (2019年3月16日 15時) (レス) id: 798822fad1 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - 麗さん» 本当ですか!?沢山の方にお気に入りにしてもらって嬉しい限りです!! (2018年12月17日 21時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 暗殺教室、名探偵コナンともに私好きなお話なのでとても続きが楽しみです! (2018年12月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年12月5日 23時