排球部の王様の恋2

14話 期末の時間 ページ7

「「数学、教えてください!!!」」

『…無理』









放課後、翔陽、影山、田中さんと西谷さんが部活前に駆け込んできて頭を下げてきた






一年の2人はともかく、なぜ2年生まで









『あの、なんで2年のお二人まで』

「それはだな…美人マネと勉強するだけでノルだろ!!」

『ご自分で頑張ってください』









不純すぎる動機に呆れ、席を立つ









『期末テストの勉強、見て欲しかったら私に勝ってからです』

「「勝つ？」」

『そうです。成績で頑張って勝ってください』









無理な話だろう



武田先生でさえ、頭を悩ませていたんだし









「2年がそんなんでどうすんだよ…」

「成績では勝てないけど、スタミナでは勝てるぜ!!」

「おお！龍、それなら勝てるな！」

「おうよ、ノヤさん！」

『なら鬼ごっこですね』

「「鬼ごっこ？」」

『はい。今から部活が始まるまでの15分間、本気で追いかけてきてください
鬼は皆さん、時間内に私を捕まえれたら勉強見てあげます』

「「おお！」」

『そのかわり、時間内に私を捕まえれなかった場合は自力で頑張ってください
それから………私、“本気で逃げる”ので
私が何しようと、どうやって逃げようと、皆さんは必死に追いかけてくださいね』









ニッコリと微笑み、谷地ちゃんにストップウォッチで15分を測ってもらう









「谷地ちゃん、何してんの？」

「期末テストの勉強で、坂城さんを捕まえれたら勉強見てもらえるらしくって」

「へー」

「谷地さーーん!! 合図おねがーい！」

「あ、うん！よーーい、スタート!!」









掛け声と共に追いかけてくるのは、スタミナバッチリの田中さんと西谷さん




翔陽と影山も追いかけてくる









「へへっ！捕まえっ……………」

『(ﾌｯ』

「たぁ!?」









田中さんが伸ばしてきた手からスルリと抜け、横に流れるようにして田中さんから逃げた









「あ、あれ？」

「すげぇ!!」

「透留、すげぇな!!」

『言ったでしょ？本気で逃げるって…私の本気、まだまだだよ』









西谷さんが走ってきて、ガバリと飛び上がってきたのを軽く避ければ、避けた先には翔陽がいた

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